第6回多摩川建築塾 横内敏人講師の「扇屋根の家」が出来るまで

第6回多摩川建築塾が開催されました。

今回の講師は、「建築家 横内敏人」講師でした。(横内敏人建築設計事務所

時代はどんどん変わり、人の美意識なども移り変わっていきます。

住宅は、変わらないものをベースに設計しないと永く住める家にはならない。と横内さんは言います。

人にとっての変わらないものとは何なのか?

それは、人の「遺伝子」。

これは太古から変わらないもので、この「遺伝子」に伝わるものを作らないといけない。

太古の昔、人は外で過ごすことが多い生活をしており、そんな中で居心地のいいところというのが、「木の下」の木陰。

もう一つは、「ほら穴」のような壁に囲まれた空間。

火があるとなおいいですね。と横内さんは言います。

この開放的空間と閉鎖的空間これらが混ざり合うわけでもなく、いたわり合うように陽の一部に隠を取り込み、隠の中に陽を取り込む。そんな風にして設計をされているそうです。

 

初のプレゼンの前に、建主さんのことを隅々まで知り尽くし最高のプランを考えます。

そして、パースにしてみたときにウキウキ感がなければまたやり直し。

そう繰り返して全力投球で出したプランはだいたい建主さんも気に入ってくれることが多いそうです。

Before 

 

After

 

建築家 横内敏人さんという方は、住まい手さんに近づけるところまで近づき、究極に住うための利便性を考えた設計、それと合わせて、構図としての美しさも考えられた設計を行われているのだと感じました。

他にも、設計するにあたり細かい技術的なところも教えて頂きましたが、今回はこの辺で。

丸晴工務店を含めたくさんの工務店の設計士は、このような勉強を欠かさず、変わり続けていく建築についていきながら、変わらないものをしっかりと持ち続ける努力をしています。

 

丸晴工務店は動画も発信しています。

https://www.youtube.com/channel/UCrm9-1wp-Or-9W7frbym86Q

 

前回の多摩川建築塾は、

https://www.marusei-j.co.jp/第5回多摩川建築塾-三澤文子さんの講義-「新築の/

「スミレアオイハウス」での暮らしについて

<10/21(金)萩原修さん、葵さん講義>
<12/ 3(土)スミレアオイハウス(9坪の家) 見学会>

10/21(金) 第4回講義は萩原修さん、次女の葵さんに「スミレアオイハウス」での暮らしについて語って頂きました。

「スミレアオイハウス」の施主であり、住まい手である萩原さん家族。どのような経緯で9坪の家を建てる事になったのか、どのように土地を探し、計画の中でどのような人達と出会い、完成後、実際どの様に過ごし、感じたかなど体験を通したお話しをして頂きました。設計者からの講義が多い中、施主側の話、気持ちが聞ける貴重な講義となりました。

講義後の12/3(土)その内容を踏まえた上で、実際に東京都にあるスミレアオイハウスへ見学に行ってきました。

・スミレアオイハウス
増沢洵さん設計の「最小限住居」を小泉誠さんがリデザインして、1990年に建てられた建坪9坪の家です。東京都三鷹市にあり、並木道などもある静かな住宅街で目の前には大きな畑がありとても見晴らしのいい場所へ計画されました。夫婦、子供(女2人)合計4人で暮らすことを想定して計画された木造二階建ての住宅となります。

実際現地に行って…
敷地の前を通った瞬間「あっこれだ!」と圧倒されるプロポーションでした。
何と言っても目を引くのは道路から建物を見ると3分の2を覆う大きな4枚のガラス窓でしょう。外壁は白っぽい風合いで屋根は軒を出さずただ箱を置いたようなシンプルな外観、箱に窓を付けたシンプルで何ともバランスのとれたプロポーションだと感じ「最小限住居」という名前からはかけ離れた迫力がありました。

建物へ入ってみると半畳小さな玄関、小上がりの和室、6畳の居間、大きな窓に大きな吹き抜けで建坪9坪だとは思えないほどの解放感がありました。1階に水廻りがまとまっていて2階は小さな机が並んでいました。床材に無垢のパインを使用しており長年使われて日焼けや汚れによって変化した床は古民家のような雰囲気を出しています。
窓に大きな障子があり季節や温度、時間帯よって調整できるものとなっています。ちなみに、夜に外からの障子を見ると行燈のようで非常にきれいでした。

設計が家具デザイナーでもある小泉誠さんということもあり造作家具や間接照明など手の触れるところ、細部まで気配りの感じられる建物と感じました。9坪の家だと「収納が足りなさそう、狭そう」など思うでしょう。しかし、そんなことはありません。大きな窓、
吹き抜け空間、造り付けの収納が備えられてスペースが無駄なく有効活用されているからでしょう。

「スミレアオイハウス」の魅力を肌で感じ個人的に思ったのが、収納の大切さを学びました。これだけ小さな建物、収納力が足りない、狭い、など感じさせない工夫が至る所にあり、収納に関して熟考するいい機会となりました。
皆さんもぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

丸晴工務店の動画はこちら

https://youtube.com/shorts/np_Cc6A9tFA

そのほかの建築家の建物見学はこちら

https://www.marusei-j.co.jp/田中敏溥さんのご自宅訪問〜不自由なんだけど自/

継手の中で一番引っ張り耐力の高い『追っ掛け大栓継ぎ』とは?

木造建築には、軸組工法や2×4(ツーバイフォー)と呼ばれる工法があります。

その軸組工法には、木と木を組み、建物の強度を増す、または、古いものを再利用するための継手など、たくさんの技法があります。

ここでは、基本的な継手・仕口・組手についてお話したいと思います。

 

はじめに

木造建築の部材の接合を言い表す用語として、継手(つぎて)、仕口(しくち)、組手(くみて)、差口(さしぐち)、矧ぎ(はぎ)などがあります。いずれも近世の大工書に表れる用語です。

明治39年に刊行され、戦後にまで版を重ねた建築辞書『日本建築辞彙(にほんけんちくじい)』によれば、継手は材を継ぎ足す接合を、組手は桁(けた)や合掌梁(がっしょうばり)など部材が交叉する箇所での接合を、差口は一方の材側面に他材を取り付ける接合を言います。

さらに仕口は、上記の組手や差口をいうとあるので、仕口は角度をもって材を組み合わせる接合の総称と言えます。

また、同辞書に矧ぎの見出しはないですが、実矧、胴付矧などの項目から、矧ぎは板材の長手側面の接合を言うことがわかります。

このような仕口に決定的な変化をもたらしたのが十二世紀末に導入された、柱を貫き通し、柱相互を繋ぐ貫の技術です。当然そこには、柱と柱の内部で交叉する貫材という直交三軸を形作る部材を組むための、それまでになかった仕口や継手の技術が新たにもたらされました。

こうした様々な要因がからんで多様な継手仕口が歴史的につくられてきました。接合部によっては複合的な要因が働き、それに対応するために複雑な形の継手仕口が考案され、その結果、それらは優れた手業を表すものとして、見る人の興味を惹きつけるのです。

 

追っかけ大栓

辞書、教科書に見られるわずかの例を除けば、過去に使われていた継手仕口は、造り方とともに形や名前すら現実の工事から忘れられようとしています。

そんな中、現在でも長い材を継ながないといけない場所や強度の必要な場所での継手として使用されているのが「追っかけ大栓」です。これは、刻みが難しいことから、意匠の面からもこれを使われることもあります。

「追っかけ大栓」は、暦 1200年前後から見られるようになった略鎌が発展したもので、現在の形状になったのは 1400年頃と思われています。この形状は、追っかけ大栓継をはじめとする、金輪継、尻挟継、台持継などに共通した接合形状であり、構造的特徴は、顎と接合部の繊維方向の面圧性能を利用して、伝統構法の継手の中で曲げモーメントに対して最も
高い接合効率を発現しています。

強度について

追っ掛け大栓の強度はどんなものなのでしょうか。

繊維方向どうしを噛み合わせているため大きな耐力を持ち、継手の中でも最も引っ張り耐力の高い継手です。

最大の引張り荷重は、55KN〜65KN程度の値です。

ちなみに、このKN(キロニュートン)とは、

1kN(キロニュートン)が約100kg(キログラム)の重りと同じ力です。

つまり、55kN(キロニュートン)は、約5500kg(5.5トン)の質量と同じということになります。

この荷重に耐え得るというのは、やはり引張り耐力の高い継手ということがわかります。

使用する箇所は?

前述のように、高い引張り耐力をもつ継手のため、水平力による変形で引張り力が働く外周部の梁などで使用されます。

大地震の時には大きな引張り力が梁にかかるため、このような引張り耐力の一番大きな追っ掛け大栓継ぎを使用します。

込栓に関しては、4本打ちをしても耐力的に変わらないため、2本打ちが基本となっています。

 

継手を行う上でまず、地震などの外力などに対しても安全なこと。安全であるということは、単に強さだけを求めることではないのです。もちろん、壊れない丈夫さも必要ではありますが、万が一の場合にも瞬時につぶされてしまうことがなく、たとえ大きく傾いても、住み手が避難できる空間を保持することも大切な機能であるといえます。

そのため、建物の強さを測る実験だけでなく、建物の壊れ方の実験などに参加していくことで、柔軟で強い家づくりができます。

丸晴工務店は、壊れ方の実験をしている講義などに積極的に参加をして家づくりに役立てています。

 

参考資料:『大工塾』加力実験ノート:企画・編集 植久哲男

 

組手を多用する『数寄屋門作り』

https://youtu.be/8ur1i06B8dU

 

継手(つぎて)、仕口(しくち)とは?こちらに書いてあります。

https://www.marusei-j.co.jp/木造建築における木組みの継手仕口とは何?/

北欧家具NIKARIが願う木や森と共存するサスティナブルなあり方

つい先日発売された雑誌「隔月刊CONFORT」に北欧家具で有名なNIKARIが特集されていました。

一昨年、丸晴工務店にもNIKARIの日本で唯一の生産・販売のライセンス契約を締結している『京都・永野製作所』さんがいらっしゃいました。

購入した家具をはるばる京都からニカリのデザイナーでもある永野さんが、濃沼社長との繋がりでお届けに来てくださいました。その時の様子はこちらhttps://youtu.be/3zHBXOzQqvU

丸晴工務店に来て頂ければ見ることもできますので、ぜひ見に来てください。

 

NIKARIは創業1967年に家具職人のカリ・ヴェルタネンによって創業しました。

本拠地となったのは、ハサミで有名な「フィスカース」が300年以上製造を続けたものづくりの歴史ある土地フィスカス村。「フィスカース」が移転し、クラフトやアートの村としての再生が始まり、1993年にその先駆けとして移転してきました。

NIKARIはカリ・ヴェルタネンの後継者として2009年より代表のヨハンナ・ヴオリオが起用されてから世界的に認知されるようになりました。

そして、最も有名な「セミナーチェア」は、NIKARIで初めて量産することになった記念すべき椅子で、ヘルシンキ現代美術館の国際コンペで設計者に選ばれたスティーブン・ホールが、カリが学生に椅子づくりを教えるために作ったものをスタッキングタイプに改良したものです。

カリの願いはビジネスの拡大より、40年を掛けてつくり上げたニカリを次世代につなげていくこと。

伝統技術を継承する現代的な家具づくり、木や森と共存するサスティナブルなあり方を伝えていくこと。

この願いは、今多くの物づくりの人々に伝わっており、丸晴工務店も共鳴し伝統技術を継承した物づくりを続けて

いきます。

丸晴の家具のブログ:https://www.marusei-j.co.jp/センスのいい家具はモデルハウスから学ぼう〜yチ/

2023年丸晴工務店は変わります。

2023年丸晴工務店は進化を遂げるべく、2022年より進めてきたある計画が加速し着々と形になっていきます。

「丸晴工務店って男くさい感じかと思ってたけど、こんなにも繊細なものを作るんだ。」とか、

「丸晴工務店ってこんなもの作るんだ。」と知られていない丸晴を知って頂くため、

また、街の方々や丸晴に訪れる方々が気軽に木の良さをわかっていただけるように、

進化を遂げようとしております。

今後も少しづつお伝えして行けたらと思っております。

では、また次回。

キッチンカウンターの天板(ワークトップ)ってどんな種類があるの?

キッチンの天板ってたくさんあってわからない。

でも、キッチンって毎日使うからあまり妥協したくないし。

まずは、自分で素材について調べてみようかな。

そう思われたのであれば、ぜひ読んでみてください。

特徴が分かれば、自分の性格や生活スタイルに合ったキッチンが見つかるかもしれません。

人工大理石(じんこうだいりせき)と人造大理石(テラゾー)の違い

もともと1965年、アメリカのデュポン社が人造大理石を発明し、1971年から日本に輸入され、その後国内での製造も始まりました。

当時は、同じものとして扱われて、原材料の樹脂に石の粉末、鉱物質、着色料などの充填材を加えて固めたものでした。

しかし、現在では、人工大理石と人造大理石どちらも同じもののように聞こえますが、実は全く別物なのです。

人工大理石とは、

アクリル樹脂やポリエステル樹脂を主成分とした人工素材です。

人工大理石という名称から大理石の成分が入っていると思われがちですが、粉や成分など一切入っておりません。

アクリル系人工大理石は、板状の原板から切り出す部材を接着する「組み立て式」です。
一方、ポリエステル系人工大理石は、型を用いてつくる成形品です。

基本的にメーカーがオス・メスの型を製作し、その隙間に樹脂を流し込んで硬化させてつくります。

型製作には費用がかかるので、大量生産によってコストパフォーマンスを高め、できるだけ製品価格を抑えるのが、ポリエステル系人工大理石の基本的な考え方です。

また、価格の違いとしては、アクリル系樹脂のほうがポリエステル系樹脂よりも高価です。

メリット

・加工がしやすい

・色や模様のバリエーションが多い

・コストパフォーマンスが良い

・割れにくく耐久性がある

デメリット

・天然の大理石と比較すると柔らかく傷つきやすく熱に弱い

・型が必要となり1点ものの特注が難しいものもある

・主成分が樹脂のため高級感や風合いは無く、無機質になりやすい

・研磨入りのナイロンたわしやクレンザーを使用すると、磨いた部分がうっすらと白くなる場合がある

・燃焼すると不完全燃焼による一酸化炭素などの有毒ガスを発生する

 

人造大理石とは、

天然の大理石などを粉砕し、セメントや樹脂で固めた半人工素材です。

セメントで固めたものをセメントテラゾー、樹脂で固めたものを樹脂(レジン)テラゾーと呼びます。

名前は似ていますが、似て非なるものなのです。

人造大理石の特徴として、石を砕いて混ぜるため均一な外観には出来ません。

また、色調も使用する石材に大きく左右されますが、自然な風合いが人工大理石よりは感じられます。

メリット

・人工大理石より硬く傷や摩耗に強い

・色や模様のバリエーションが多い

・自然な風合いを楽しむことが出来る

・汚れが染み込みづらい

・熱に強い

デメリット

・人工大理石と比べると高価

・熱や汚れで変色してしまうことがある

メンテナンス

普段のお手入れとしては、長時間汚れを放置すると着色することもあるので、汚れたらすぐ拭くことをお勧めします。

また、研磨タイプのスポンジは使える製品と使えない製品がありますので、ご確認の上ご使用ください。

 

ステンレスとは

ステンレスの事をよくSUS(サス)と呼びますが、

S=steel鋼

U=use特殊用途(special use)

S=stainless不銹

という事から、SUSといえばステンレス鋼を意味しています。

ステンレス鋼とは、鉄を主成分としこれに10.5%以上のクロムを含有した合金鋼で鉄に比べ耐食、耐久性、耐熱性、加工性美観において非常に優れた金属です。

また、環境に対してもステンレスは100%リサイクル可能な材料として高く評価されています。

ステンレスの語源は

stain=しみ、よごれ、汚染

less=のない、できない

訳すと、さびないという意味でstain less、ステンレスと呼ばれる様になりました。

サビないしくみ

鉄にクロムを添加するとクロムが酸素と結合して鋼の表面に薄い保護皮膜 (不動態皮膜)を生成します。この不動態皮膜がさびの進行を防ぎます。またこの不動態皮膜は100万分の3mm程度のごく薄いものですが、大変強靭で、一度こわれても、周囲に酸素があれば自動的に再生する機能をもっています。

ただ、ステンレスは絶対さびない金属ではなく作られている不動体皮膜がほこりや鉄分、塩分を含んだ雨水などによって破壊された場合には、さびが発生しやすくなります。また、キッチンカウンターなどでは、もらいサビと言って鉄鍋などを長時間置いたままにしてサビが付着してしまうとサビの原因にもなります。

これらのサビは磨けば落ちることが多いですが、落とすのも大変なものもありますので、普段から乾いた布などで天板を拭いておくお手入れはしておくのが良いのかもしれません。(これはステンレスだけでなく、木の天板など他の天板にも言えることかもしれませんが、、、)

メリット

・水やさびに強い

・油など汚れにも強い

・匂いがつきにくく衛生的

・人造大理石と比べると少し安い

デメリット

・無機質な感じになりやすい

・時と共にステンレスの光沢が無くなる

・もらいサビがつくことがある

メンテナンス

もらいサビなど発生してしまった場合は、市販で売っているクレンザーと緑の研磨面がついているスポンジでゴシゴシこすり落とします。水で洗い落として、まだ落ちていないようならこれを繰り返します。

表面仕上げ

ヘアーライン

ヘアラインは研磨ベルトを使い、わざと表面に細長い筋状の研磨目を付ける方法です。

バイブレーション

バイブレーションは、多軸水平研磨を用いた無方向性のヘアライン研磨仕上げです。こちらもすじ状の磨き目が入りますが、方向がランダムなことが特徴といえます。やや光沢を抑え、落ち着いた雰囲気がでます。

エンボス

エンボスは、エンボス用ロールやエッチングでの圧延処理によって作られます。エッチングとは、薬品による化学反応で金属をわざと溶解させ、表面に凹凸をつくる方法です。

表面の凹凸で傷が目立たない仕上げです。

鏡面仕上げ

冷間圧延後に熱処理、酸洗いなどを行い、軽く冷間加工することによって光沢を与えた仕上がりを実現したもの。

店舗などでも目にするとてもメジャーな方法です。

 

木の天板

メリット

・柔らかな雰囲気になる

・オイル仕上げであれば手触りがいい

デメリット

・汚れやシミがつきやすい

・木の反りなどでシンクやコンロに隙間ができてしまうこともある

メンテナンス

汚れやシミになりやすい素材のため、普段から水や汚れがついたらすぐ拭き取る。

 

まとめ

人造大理石であれば、色や柄など選ぶ種類が多く、インテリアに合わせたものを選択でき、ステンレスは一見無機質になるかもしれませんが、設計によってはとてもシンプルでおしゃれな空間が広がります。

また、木の天板は風合いを楽しむので、こまめな拭き取りが必要ですが、シミも「一つの物語」と思える方は、素敵なキッチンに仕上がるのではないかと思います。

ご自分の好み、また生活スタイル、ご予算などでお好きな天板を選ぶのがいいですね。

また、一つの素材でも何十種類とありますので、ぜひご自分に合った天板を見つけてください。

そのためにも、天板は実際に見に行き触ってみることをおすすめします。

キッチンはいろんなシチュエーションで使うものなので、肌触りだけでなく、水に濡れたらまな板が滑りやすいか、固さ等、何年か経った時にどうなるのか、ショールームの方に質問してみるのもいいですね。

また、メンテナンスの方法も合わせて質問しておくことも忘れずに。

 

その他素材について書いたブログはこちら

https://www.marusei-j.co.jp/外壁材のガルバニウム鋼板について/

 

参考文献:ステンレス協会 https://www.jssa.gr.jp/contents/about_stainless/key_properties/

    :シゲル工業https://www.shigeru-k.co.jp

    :コーティングMAGAZINEhttps://www.y-skt.co.jp/magazine/knowledge/guide-stainless/

第5回多摩川建築塾 三澤文子さんの講義 「新築の仕事と改修の仕事」

第5回多摩川建築塾 三澤文子さんの講義
「新築の仕事と改修の仕事」

今回は、多摩川建築塾で良くお話しをして頂いております、三澤文子さんの講義でした。

時代が変わっていき、生きていくために何を重視していくのか、
人の豊かさ、安らぎというのは
地域材と手仕事という温かみをもつ仕事にこそ隠されていて、必ず人はそこに帰ってくる。それが、木の家づくりの最大の魅力なのだそうです。

そんな想いを、
事例をもとに、どんなプロセスで設計されたかをお話しして頂きました。
「私は、必ず小さな段差でもスロープをつけるようにしているの。」と、住まい手さんの10年20年30年先の住まい方を思い描き設計されて、改修のところでは、常に勉強をし、治す力を身につけていくことの大切さ。いかに安心で安全な家に復興させるかを教えて頂きました。

また、途中にあった土中環境を改善していくお話も土の中に空気や水の通り道を作ってあげるという「有機アスファルト」はとても興味深い内容でした。

様々なお話で大変勉強になり、そして素敵な建築の数々のお写真で見ていてとても楽しい講義でした。
三澤文子先生ありがとうございました。

以前にも書いた多摩川建築塾のブログはこちら

https://www.marusei-j.co.jp/第6回多摩川建築塾%E3%80%80三澤文子さんによる講義/

 

丸晴工務店のYouTube

https://youtu.be/cmduWPuy7NQ

金に似た美しい光沢を放つ真鍮の特徴とは?

上手工作所 https://www.jo-zu-works.com/view/item/000000000092?category_page_id=ct10

木のインテリア空間によく似合う真鍮。

「名前も聞いたことあるし、何となく雰囲気のいい金属くらいしか知らない。」

という方も多いと思います。

そもそも真鍮とは何なのか?

どんな特徴があるのか?

どんなところで使うのが良いのか?

木の空間に相性ピッタリな真鍮の魅力をご紹介します。

真鍮とは

銅と亜鉛を混ぜ合わせた合金で、亜鉛が20%以上のものを指します。

別名「黄銅(おうどう)」や「ブラス」とも呼ばれます。

この「ブラス」は英語表記で「Brass」と書き、音楽のブラスバンドで使われるトランペットなどの楽器は真鍮で作られています。

その他にも、身近なところで五円硬貨にも真鍮が使われています。

銅と亜鉛の割合で大きく特性が変わり、亜鉛の含有量が少ないと赤みがかって柔らかく、亜鉛の含有量が多いと黄金色に近く硬くなります。熱によって加工しやすいため精密機器の部品や時計などの部品、建築で言えば蛇口や建具などに使用されます。

しかし、亜鉛の量が多くなるにつれて硬さは増し、その分脆さも増すため亜鉛45%以上では実用に耐えられません。

割合としては、銅65%・亜鉛35%が最も一般的と言われています。

Louis poulsen
Louis poulsen https://www.louispoulsen.com/ja-jp/private

真鍮の種類

丹銅(たんどう)

色は赤みが強く、真鍮の中でも光沢の美しさが特徴です。そのため、建築材料や装飾品に使用されます。

黄銅(おうどう)

アクセサリーや時計のパーツなどに使われていて、一番身近な真鍮です。

七三黄銅(銅70%・亜鉛30%)や六四黄銅(銅60%・亜鉛40%)といったものがあります。

快削黄銅(かいさくおうどう)

銅が57-61%、鉛が1.8-3.7%、が0.5%以下、鉄+錫が1.0%以下、亜鉛は残部)

その名の通り、切削加工がしやすい真鍮のためネジやカメラ部品などの精密部品に使われます。

ネーバル(naval)黄銅

少量の(すず)を添加し、硬度、強度、耐海水性を高めたもの。主に船舶部品に使われます。

そのため海軍黄銅とも呼ばれます。

 

経年変化

施工事例:取り付け直後
施工事例:4年経過後

真鍮が経年変化をする主な理由は空気に触れた時の酸化や人の手垢、埃によるものです。

経年変化をすると汚れたように感じてそれが好きじゃないという方もいらっしゃるかもしれませんが、経年変化は木の経年変化と同じで、使ってきた人たちの時間の刻みが味になり、趣きのあるアンティーク調となるため、経年変化後の方が好きという方もたくさんいます。
お好みで経年変化を楽しんでみるのもいいかもしれません。

 

メンテナンス

真鍮は水に弱いので、経年変化を楽しまれる方は綺麗な布で乾拭きをしてください。

また、元のピカピカした感じがお好きな方は、家にあるお酢でまず試してみてください。

お酢を入れた容器に全てが浸るように2〜3分ほどつけます。その後取り出しお酢をお水で洗い流して布で磨きます。

(取れにくい場合は、お酢に塩を入れて傷がつかないように軽く磨いてみてください。)

頑固な黒ずみの場合は、重曹と水を2:1の比率で混ぜペースト状にして磨きます。

こちらも傷がつかないように優しく磨いてください。

市販の金属研磨剤を使えば元の輝きを取り戻すこともできます。

 

おまけ

Louis poulsen

丸晴工務店でもご紹介できるLouis poulsenから、展示店舗および登録オンラインショップのみの限定販売される真鍮ランプがでました。

ポール・ヘニングセンが手掛けたPHランプシリーズの中から、特別仕様のPH3/3ペンダントとPH3/2テーブルを”2022年のPHリミテッドエディション”として販売を開始します。2023年1月31日までの期間限定にて販売です。

ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?

https://www.louispoulsen.com/ja-jp/private

PH3/3ペンダント
PH3/2テーブル

 

上手工作所

トップの写真は、「上手工作所」という真鍮の金物をたくさん扱うお店です。

タオルハンガーやドアハンドル、トップの写真にもなっているコートハンガー、収納家具からテーブルや椅子、照明までありますのでぜひ見てみてください。

https://www.jo-zu-works.com

 

こちらのブログにも照明など載ってます。

https://www.marusei-j.co.jp/センスのいい家具はモデルハウスから学ぼう〜ル/

 

地鎮祭でよく聞く猿田彦神社って、どんな神様を祀ってあるの?

新築でお家を建てるとなったときに、必ず行うのが地鎮祭(=地鎮祭について詳しく書いたものはこちら)。

地鎮祭とは、その土地の神様を祀り、工事の無事進行・完了と土地・建造物が末長く安全堅固であることを祈願するために、おこなわれる祭りです。

その地鎮祭をお願いするところでよく聞く猿田彦神社。

どんな神様が祀られているの?

調べてみると意外と面白く、お正月にお参りする神社のことも調べてみたくなりました。

神とは

そもそも神様ってどのような存在なのでしょうか?

大きく3つに分けてみると、

古事記や日本書紀といった神話に登場する神

神話には世界を作り出したり、英雄的な活躍をしたりする神が登場します。人間と同じように結婚をし、怒ったり笑ったりします。

こうした神は人間神と呼び、大きく分けて2つに分けられます。

高天原(たかまのはら)と呼ばれる天上界に住み、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が統治する世界で、天之御中主神(あめのみなかぬし)をはじめとする天つ神。一方、大国主神(おおくにぬしのかみ)が統治する地上の葦原中国(あしはらのなかつくに)に住む国つ神。

この大国主神が天つ神に降伏し統治権を譲り、次の統治者となったのは天照大御神の孫の邇邇芸命(ににぎのみこと)でした。その子孫が初代天皇になったと言われています。

民族神

神話には登場しないですが、人々の間で自発的に生まれた神で、稲荷神、恵比寿、道祖神など。

もとは人間だった神

天神さまとして知られる菅原道真や、すぐれた功績を残した豊臣秀吉や徳川家康など

 

また、自然神(シゼンシン)と呼ばれる、自然そのものの神もいます。山の神や海の神、風の神、木の神などです。

神社には天照大御神(あまてらすおおみかみ)のような天つ神や、大国主神(おおくにぬしのかみ)のような国つ神が祀られることが多いですが、自然神も祀られることがあります。

古代において、神は自然物に降るものとされ、特定の場所に常在する社殿(本殿)はありませんでした。

そうした神道の世界に社殿が設けられたのは、6世紀に仏教が伝来してからだそうです。一方現在でも木や山、岩などをご神体として祀る古代の信仰スタイルが残る場所があります。

 

猿田毘古神(さるたびこのかみ)

天照大御神(あまてらすおおみかみ)の孫の邇邇芸命(ににぎのみこと)一行が、天から葦原中国(あしはらのなかつくに)に降ろうとする途中、天と葦原中国の両方を照らしている神がいました。邇邇芸命に同行していた天宇受売命が『何者か?』問うと、国つ神猿田毘古神と名乗り、『天孫の道案内をすべく出てきたのだ』と言いました。

この猿田毘古神は、「日本書紀」によると鼻がきわめて長く、背も高く、目は鏡のように輝いていたとあり、この姿から天狗のイメージのもととなったとされています。

 

 

椿大神社https://tsubaki.or.jp

高千穂に邇邇芸命を御案内した後、天宇受売命と御一緒に本拠地である「伊勢の狭長田(さながた)五十鈴の川上」の地に戻り、この地を始め全国の開拓にあたられました。

その故郷とされる伊勢国には、猿田毘古神を祀る神社の総本社とされる椿大神社があります。

御神徳

猿田彦大神(猿田毘古神)は、天照大神との幽契により、天孫を先達啓行、皇大神宮の永久御鎮座の大宮所をもお定めになられたことから、地上に生きとし生けるものの平安と幸福を招く「みちびきの祖神さま」と崇敬されています。

地球国土、土地家屋敷安泰守護、地鎮祭をはじめ、建築、方災解除、厄除開運、家内安全、無病息災、交通安全、旅行安全、商売繁昌、家運隆昌、良縁子孫繁栄、進学修業、事業成就などにご霊験あらたかと信仰されております。

 

 

参考資料・引用元:株式会社エックスナレッジ「日本の神様解剖図鑑」

 

 

丸晴工務店のYouTubeはこちら

https://youtu.be/5VJTNuKwaHE

 

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