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木造建築で用いられる伝統的な「蟻継ぎ」って何!?

2023年3月10日

蟻継ぎと言われる継手は、なぜそう言われているかご存知ですか?

その名の通り台形の形が蟻の顔の形だからという説と、蟻の牙の形と言われる説。があるようです。また、鎌継ぎは蛇の鎌首が由来とされ、溝を切るために使う畦挽鋸(あぜひきのこ)は、田んぼの畔道が由来なんだそうです。

このように由来が生き物などに例えられているのには、わけがあって、昔は10歳〜13歳で弟子入りしていた子供にもわかりやすく覚えやすいようにと身近なものに例えられていました。

日本木造建築で用いられる継手

日本の木造建築で用いられる伝統的な切組み継ぎはその効用によってに分類されています。

〜単に長さを増すだけのもの〜

突付(つきつけ)

殺継(そぎつぎ)

 

〜捩れ(ねじれ)の力に耐えるもの〜

目違継(めちがいつぎ)

〜引張りの力に耐えるもの〜

蟻継

鎌継

竿継(竿車知継(さおしやちつぎ))

〜引張りと捩れ(ねじれ)の力に耐えるもの〜

追掛大栓継(おっかけだいせんつぎ)

https://www.marusei-j.co.jp/継手の中で一番引っ張り耐力の高い『追っ掛け大/

他にも金輪継(かなわつぎ)鶍継(いすかつぎ)などがあります。

 

蟻継ぎとは?

引張りに強い継手のひとつで、建築での本格的な使用は中世からと言われています。

引張強度は「鎌」や「追っかけ大栓」には及びませんが、接ぐ長さが短くてすみ、仕口では凹形に加工される通し材の繊維を欠く割合が比較的少ないため、仕口に多く用いられています。

昔は、大工さんが手で刻み加工していましたが、加工精度の均一化、及び作業の合理化が図られ、機械で加工するプレカットが主流になりました。

丸晴工務店では、この「蟻継ぎ」も手刻みしています。(手刻み動画はこちら→https://youtu.be/bPtxsZD1L1M

蟻継ぎの種類

吸い付きあり蟻継ぎ

板の裏面に吸い付き桟を取り付ける手法です。

天板の反りを止める効果と共に、テーブルなどの場合、脚への接合部となります。

天板の収縮にも対応が利く継手。

 

寄せ蟻継ぎ

板はぎや、甲板と幕板接合などに用いられます。女木側に蟻ほぞが入る四角の穴をあけ、蟻ほぞにこれを挿し込んで蟻溝に滑り込ませて引っ張りに耐える構造にしたもの。

これは、神棚を作る際にも用いられています。(動画はこちら→https://youtube.com/shorts/ZBypmAgL9Wk

 

参考文献:誠文堂新光社「木組み・継手と組手の技法」

 

丸晴工務店では、こうした仕口や継手も手刻みで行う、木組みの家を作っています。

現場の様子や手刻みの様子、継手の刻みの様子もYouTubeでご紹介中です。

YouTubeはこちら→https://www.youtube.com/channel/UCrm9-1wp-Or-9W7frbym86Q

 

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