神聖木として高貴な『檜(ヒノキ)』

『木』のお家と言っても、どんな木があって、どんな特徴があるかご存知ですか?

私は、今まで全く知りませんでした。

意外と知らないことも多く、でも知ることで家を建てるときに、その場所場所にあった『木』を選ぶことができますし、一つ一つ家に使われた木々に愛着を持つことができると思います。

経年が魅力の『木』を楽しむためにも、ぜひ、これを見て一つずつ知識が広げていき、見た目や雰囲気だけでじゃなく、自分好みの木材が選べるようになってもらえたらといいなと思います。

今回は、神聖木として高貴な『檜(ヒノキ)』についてお話しします。

ヒノキとは?

檜(ヒノキ)は、高さが30〜40メートル、直径は1メートルほどの常緑高木の針葉樹で、

材の色は、淡紅白色。肌ざわりはなめらかで、独特のつやと香りがあります。

強度にすぐれ、狂いが少なく、耐久性はトップクラスで、軽く柔らかいので活用範囲が広く、肌めが非常に緻密で、均質な材料が必要な用途に適しています。

心材は特に耐朽性が高く湿気にも強いです。

そのため、古代より建築材料として重用されてきました。

現在の住宅でも、柱・土台・梁・桁・床・母屋・鴨居・敷居などさまざまな部分に使用されています。

また、建具、家具、風呂桶、工芸品、彫刻などにも使用されます。

スギに比べると、やや乾燥した土地を好みます。ただし、スギよりは生長が遅く、手入れも多く必要とされています。

木曽(長野県)をはじめ、東濃(岐阜県)、吉野(奈良県)、尾鷲(三重県)、紀州(和歌山県)、土佐(高知県)、美作(岡山県)、静岡県などが産地として知られています。

【樹名】

 ヒノキ

【科名】

 ヒノキ科ヒノキ属

【心材の色】

 帯黄白淡褐色

【辺材の色】

 淡黄白
【産地】

 福島県東南部以南の本州、四国および九州

【加工性】

 木質が軽軟なため容易
【主要用途】 構造材、造作材、家具材、建具材
【有名箇所】 長野県木曾・岐阜県裏木曾・木曾谷

【生えている場所】

山の中腹から尾根筋の斜面

 

貴重な材木 ”ヒノキ”の歴史

太古の昔、日本人は森に住み、森から食料を直接得たり、木々の貯えた豊かな水は「森のダム」として人々の生活を潤し、稲作農業を可能にしました。そして、四季折々の自然の美しさや厳しさ、森林や大地からの恵みの大きさが、日本人の自然に対する祈りの心を育んできました。

このような中で、わが国は独自の林業及び木の文化を発達させてきました。

そこで、日本人にとって無くてはならない木材として使われるようになったのはいつ頃の話でしょう。

遺跡から出土する木材の樹種を全国的に調べてみると、

ヒノキの木材は、スギの丸木船が出土したことで知られている福井県三方郡三方町の鳥浜貝塚遺跡が最も古いそうです。

縄文時代

この遺跡では、縄文時代の草創期から前期にかけて(約1万年前〜6千年前)の地層から出土した自然木(昔の人々が利用した痕跡のない木材)約3200点のうち20点がヒノキでした。

この遺跡で人々が利用した木材の中で最も古いものは約1万年前の杭でわずか2点ですが、約6千年前の縄文時代前期になるとたくさんの杭、板材、そしてスプーン状の木器、また彫刻のある細長い板などがあり、生活に密着したヒノキ材の利用が既に見てとれるようになっていきました。

しかし、ヒノキ材の木材利用は縄文時代を通して他にはあまりありません。ヒノキ材が他の木材より特に利用されるようになるのは、弥生時代になってからでした。

弥生時代

弥生時代の中期になると木材資料はやや増えていき、後期ともなるとどの遺跡からもヒノキ材が出土するようになり、板材などに加え、高杯・木棺・鳥形などさまざまに利用されたことがわかります。更に時代が下って古墳時代、そして歴史時代にはいるとこれは更に顕著になり、奈良・平安時代ともなるとヒノキ一辺倒ともいえる木の文化が開花します。

古墳時代を経て大和朝廷が成立し、近畿地方にその王都を造営するようになりますが、中国からは仏教のみならず政治・行政のシステムと文化をも取り入れました。中国をまねた王都造営にあたってはこれまでにない大きな建築物が数多く建てられ、そこには大量の木材が用いられ、その主要な部分がヒノキでした。古代の最大の都と言える平城京の建物の柱の樹種調査では、約6割がヒノキ、3割がコウヤマキでした。

この時期、ヒノキは柱材などの建 築材ばかりに使われたのではありませんでした。

箱もの・指物・家具など、曲物・折敷・ 桶など、木簡、それに斎串・人形・刀 形などの祭祀具などにはほとんどヒ ノキが使われていました。

木一本、首一つ

また、戦国時代以降、木材消費が急激に増加する中、木曾の木材は昔から良質で、江戸城の築城や造船、土木用材等、様々なところで利用され、木曾はヒノキの産地として注目されてきました。そして、「木曾式伐木運材法」などの技術を発達させてきましたが、技術の発達とともに木材資源の枯渇の危機から、森林保護政策として「停止木制度(ちょうじぼくせいど)」を設け、ヒノキ、サワラ、アスナロ、ネズコ、コウヤマキの伐採を禁止しました。

停止木制度は、ヒノキの保護を目的とし、ヒノキに外観が似て、かつ利用価値の高い樹種も禁止木に選びました。禁止木を伐採した者への罰は、「木一本、首一つ」と呼ばれるほどで、厳罰に処されました。

森林保護制度によって保護された樹種は「木曾五木」と呼ばれ、現在は木曾谷の名産品となっています。 

天然ヒノキと人工林のヒノキ

ヒノキの植林は各地で盛んに行われていますが、天然ヒノキの群生地は木曾谷以外にはほとんどありません。

大半のヒノキは植林材です。

天皇家の御料林と、伊勢神宮の関係者が社木の最大規模の管理組織で、これが木曾谷にヒノキが純林として残っている主因です。

日本人の天然ヒノキに対する愛着は深いものがありますが、どんなに厳しい森林管理をしても資源は枯渇する一方です。

木曾地区では、林野庁が伐採後の山に間髪を入れず植林をしているので、面積比率からみると木曾の山は天然林とはいえず、むしろ梢林地区になってきています。ヒ ノキはスギに比べて造林された若木でも需要があるので、ヒノキの植林がスギよりも多くおこなわれています。 その他の産地でも植林に力を入れていて、三重県の尾鷲地区、奈良県の吉野地区、静岡県の天竜地区が建築材の有名ブランド産地として知られています。

植林されたヒノキでも下枝打ちなどの管理を丹念にしながら育て、100年以上の長年月を経ると、表皮に近い 部分から急速に年輪幅が詰まり天然木のような木理を呈してきます。

 

ヒノキの強さ

古い神社やお寺に使われている柱などを調査したデータによれば、ヒノキ材は伐採されてから200年くらいまでは、圧縮・曲げなどの諸強度はやや上昇し、その後は緩やかに減衰し始めます。衝撃曲げ吸収エネルギーは伐採後300年までの間は30%ほど低下するものの、それ以降においてはほとんど変わらないという学術報告があります。

同じく寺社に多く使われているケヤキ材は、 伐採後300年辺りから急激にセルロ ースの崩壊と結晶化が始まり脆くなるので、ヒノキよりも耐久性が乏しいといわれています。ヒノキはあらゆる面から見て最高の構造材といえます。

天然ヒノキは仏像彫刻に多く使われ、国宝になっています。春慶塗の木地、櫛、木槌、道具の柄、梯子、額縁 などの小物の用途があります。ヒノキの枡は有名で、1升枡は江戸時代の計量器具の中でも一番多く使われていた道具です。

写真提供者 株式会社nojimoku さん https://nojimoku.jp/
写真提供者 株式会社nojimoku さん https://nojimoku.jp/

 

ヒノキにまつわる神話

むかし、出雲の国(現在の島根県)に、

ひとつの体に頭が8つ、尾が8つある大蛇

ヤマタノオロチがあらわれました。

その大きさは8つの山と谷を渡るほどで、

背中はコケにおおわれ、

スギ、ヒノキ、クスノキの大木が茂っていました。

 

ヤマタノオロチは、

毎年あらわれては村の娘を襲っていきます。

それを知ったスサノオノミコトという神様は

「8つのおけに酒をいれて置いておきなさい」と村人に命じました。

そしてその夜、ヤマタノオロチがあらわれ、

酒をガブガブと飲み、酔っぱらって眠ったところを退治しました。

 

ヤマタノオロチを退治した後、スサノオノミコトは、

自分のひげをぬいて土に散らすと、なんとスギの木に変わりました。

さらに、まゆ毛はクスノキ、胸の毛はヒノキ、尻毛はマキに。

「スギとクスノキは舟、ヒノキは宮殿、マキは棺桶にしなさい。」と命じました。

 

とても面白い話だったのでご紹介しました。

「日本書紀」で描かれたこのお話は、土石流を大蛇のヤマタノオロチに見立てて、

植林や木の使い方を後世に伝えていきました。

今も昔もヒノキは高級建材として考えられていたようで、

実際に、日本ではヒノキは法隆寺や伊勢神宮をはじめとした神社仏閣の神聖木として使われてきました。

 

ヒノキでつくる

神聖性、美観性、耐久性の全てを兼揃えたヒノキは、多くのものに使われています。

ヒノキは木造住宅の中で構造材から内装材にまで幅広く用いられています。

「水に強い」という特性を活かし、フローリングの床材や檜風呂などに活用されることもあります。

丸晴工務店では、水に強いということだけでなく、50年60年、、、と末長く住い続けていただきたい。

その気持ちから、ヒノキ材で強度のある柱を、経年変化を楽しめる柱や床を使い続けています。

写真提供者 株式会社nojimoku さん https://nojimoku.jp/

 

まとめ

檜と木曽檜(天然檜)は同じ樹種ではありますが、一般住宅に使われてきたのが檜。

この檜というのは、東濃(岐阜県)、吉野(奈良県)、尾鷲(三重県)、紀州(和歌山県)、土佐(高知県)、美作(岡山県)、静岡県などが主な産地。
一方で、伊勢神宮など、文化財レベルの社寺仏閣に用いられてきたのが木曽檜(長野県)。
同じ樹種でも、材木の世界ではまったく別物というほど扱いが違うそうです。
それでも、檜は多くの方に好まれ使われてきました。
この神々しいヒノキの材をさらに多くの方に触れたり感じたりして頂き、その柔らかさや心地よさ、そういった五感にうったえかけていけたらいいなと思い、丸晴工務店は『檜(ヒノキ)』を使い続けています。

 

 

参考文献:「木材大辞典」「日本書紀」「木の文化」

参考文献:中部森林管理局 https://www.rinya.maff.go.jp/chubu/kiso/morigatari/kisogoboku.html

奈良県の吉野杉ってどんな特徴があるの?製材所を訪問してみた。

本回は、日本の建物に多く使われている杉の中でも『吉野杉』について注目しました。

吉野杉の特徴や、実際に吉野の製材所へ訪問し、学んだことをご紹介したいと思います。

『吉野杉』とは

吉野杉は奈良県吉野地方に古くから植林された民有林材です。

樹脂分 がほどよく含まれ、手垢がつきにくいために、造作材としても喜ばれます。柱や造作に用いられる、赤杉とよばれる赤味の濃いものは、経年変化によっても秋目がよくのこり、高く評価されています。

 

長い歴史を支えてきた奈良の木

奈良や京都の都が栄えた時代から利用されてきた吉野の木。当初は天然木を伐っていたものの、築城などの木材需要により植林も盛んに行われるようになりました。吉野林業は400年近い長い歴史があります。

吉野で林業が盛んに行われてきた背景のひとつに自然環境があります。吉野の川上や黒滝、 東吉野辺りの山は保水と透湿性に優れているほほか、植物の育成に必要な栄養が多く含まれる土壌です。年間雨量が多く温暖な気候条件も大きな恵みとなっています。 

 

「山守制度」という独自の制度

吉野林業には「山守制度」という独自の制度があります。これは山を所有する者(山主)と山を管理する者(山守)を分ける制度。一般的な林業では日々手をかけても木が育つまでお金が入りませんが、この制度では山主に代わり山守が現場で木を育てる役割を果たします。 山主から毎年世話代をもらうことができる上、木の購入権も優先的に認められるとあって山守 は一生懸命に山を育てるのだといいます。山主と山守の厚い信頼関係により、丁寧に作り上げられた山は吉野杉や吉野桧の付加価値とされてきたのです。 

 

3倍の密度で植える「密林」

吉野林業では、密植という方法で良質な木を育ててきました。 一般的な林業では1町歩(約1万m2)あたり約3,000本植えるのが植林の目安ですが、吉野林業ではなんと1町歩8,000本から10,000本もの木が植えられます。密集して木を植えることで木の成長を遅らせ、目の詰まった木を育てるのです。 年輪幅が狭く強度のある木になる上、木目も美しいため木の質としては申し分ありませんが、太い木に育つには年月が長くかかるということになります。

 

阪口製材所の取り組み

ここからは、先日訪問させていただいた、阪口製材所さんについてお話しします。

吉野町で70年の歴史を持つ製材業者「阪口製材所」を訪ねました。

 

一棟まるごと提供

1本の木を余すことなく利用しながら、住宅一棟分全ての木材を納めるというもの。「木の太い部分、細い部分それぞれに利用方法があり、その全てをうまく使えば家が建ち、木の価値を高められる」とい仰っていました。人の都合で「いいとこ取り」をしていては山は生きられない。木を余さず使い切り無駄を出さないことは、コストダウンにもつながります。 

 

天然乾燥木材

山から切り出され水分を含んだ材木の強度を保ちながら、割れや反り、シロアリやカビを防ぐためには乾燥が必要です。乾燥炉に2~ 3週間置く人工乾燥に対して、化石燃料を使わない自然乾燥は最低でも1年。手間やコストはかかるものの、 本来持っている色艶や粘り 強さがあり、何より住まう人に優しい木になるそうです。

 

「一棟丸ごと提供」と「天然乾燥」のため、常時100棟分以上の木材を保有しています。これは、管理の手間や場所など負担も大きいですが、一定の乾燥品質を保った木材をいつでも届けられることがニーズに応えられる方法だとお話しされていました。「良いものをすぐに提供することが自分たちの義務」だと、阪口さんは話します。 

 

実際に木材を見せていただきました。ずらりと積み上げられた杉材は圧巻です。

 

丸太の状態で積んであります。皮がそのままの状態です。

 

木材を外に置いてあるのをみて、雨にあたってしまうと木材は乾燥しないではないか?と疑問に思い質問ました。それは全く問題ないそうです。雨に当たっても外に置いておけば、水分は抜けていきます。雨に打たせることで、色が平均化するという良いことがあるそうです。

 

長い乾燥によって割れが入るのを防ぐため新聞紙が貼られていました。木口割れの被害を最小限に留める為に、鎹(かすがい)を打ち込んだり、割れ止めののり(木工用ボンドを水で薄めて使用したりする)を木口周りと表面の板目部分に塗るなどします。

 

最後に

阪口さんのお話で印象に残ったのが木の本来の性質を伝えることも大切にしているということです。木は割れる、曲がる、狂う、腐る。そんな木の短所と言われる性質をきちんと説明したうえで、同時に木の良さも感じてもらう。節を見せたくない部分では綺麗な材を使い、節があっても気にならないような家の見えない部分には節のある部分をを使用して材を余らせません。

 

建材としての強度や機能性といった面だけでなく、 奈良県産材はその見た目の美しさからも称賛されています。このような良質な木材は大変な手間暇をかけて育てられ、私たちの手元に届き、木の温もりを感じられる住宅に生まれ変わっているんですね。

 

参考文献:奈良の木マーケティング協議会「奈良の木が住まいになるまで」

今回お世話になった「阪口製材所」さんのホームページはこちら

https://wood-sakaguchi.jp/

そのほかの木についてのブログはこちら

黒檀

https://www.marusei-j.co.jp/%e5%ba%8a%e6%9f%b1%e3%81%ae%e6%9c%80%e9%ab%98%e7%b4%9a%e5%93%81%e3%81%a8%e3%82%82%e5%91%bc%e3%81%b0%e3%82%8c%e3%82%8b%e9%bb%92%e6%aa%80%ef%bc%88%e3%82%b3%e3%82%af%e3%82%bf%e3%83%b3%ef%bc%89/#i-2

床柱の最高級品とも呼ばれる黒檀(コクタン)

先月、解体現場から黒檀の床柱がありました。

とても黒々として美しく思わずカメラを手に取りました。

床柱としては、かつて貴重な輸入材だったため、贅沢なものとされていました。

そんな「黒檀(コクタン)」についてお話しです。

黒檀(コクタン)とは

【樹名】

 コクタン

【科名】

 カキノキ科カキノキ属

【心材の色】

 黒色

【辺材の色】

 灰白色
【産地】

 インド、スリランカ、ミャンマーなど東南アジアに広く分布

【加工性】

 硬く困難

【塗装性】

 無塗装で磨き上げられることが多い

【適応箇所】

 床周りに適する

【主要用途】

 床材、家具材、弦楽器

 

コクタン(黒檀)の主な用途は床柱、床周り関係の装飾材です。

仏壇にもよく使われます。ギターなどの弦楽器の指板やピアノの黒鍵もコクタンの真黒が好まれ、白鍵が象牙のコンビが最高のものとされています。

クラリネットなどの管楽器、バイオリンの弦糸巻、カスタネットもコクタンが使われています。

さまざまな黒檀「コクタン」

 

琉球黒檀(リュウキュウコクタン)

日本に生えている木の中でも最も重くて硬い木の部類に入ります。

縞黒檀(シマコクタン)や真黒(マグロ)よりも硬いです。

 

青黒檀(アオコクタン)

黒檀の中では、真黒(マグロ)と共に最高級と位置付けられて、削っている時に見事な光沢のある深緑色が出ます。

 

縞黒檀(シマコクタン)

黒檀の中で黒と茶色の縞模様を形成しているものをシマコクタンと呼びます。

フィリピン産のカマゴンは、日本でシマコクタンとして流通している場合がありますが、正確にはシマコクタンには含まれません。カマゴンは、やや不快な臭いがするため、見極めのポイントになります。

 

ペールムーンエボニー

黒檀の中では、非常に加工しやすく、日本では楽器材としての流通がほとんどで、ギターの指板やボディに使われます。

材の見た目はクロガキに似ています。

 

本黒檀(ホンコクタン)

黒檀の中でも、東南アジアで産出される本黒檀が最も硬く、黒檀の中でもランクが高いです。

現在は、伐採が禁止のため手に入りにくいです。

 

真黒(マグロ)

材が真っ黒なので見た目通り「真黒(マグロ)」と呼ばれます。

アフリカ産の真っ黒なコクタンの総称で、見た目には本黒檀との見分けがつきにくいです。

マグロの中でも、木肌に艶があるのはカメルーンエボニー、艶なしはマダガスカルエボニーです。

 

参考資料・引用元:誠文堂新光社「木材加工面がわかる樹種辞典」

購入はこちらhttps://www.seibundo-shinkosha.net/book/lifestyle/19474/

 

最後に

こういった廃材を使い、神社のお祭りで使う木札にしたりといい材が出た時はリサイクルも行うそうです。

解体して全てがゴミではなく、新しく命を吹き込むということは、今の世の中でとても大切なことだと思います。

便利な世の中になりつつありますが、転生輪廻の心を持ち続けていきたいです。

 

日本人に親しみのあるヤマザクラ

寒い冬が終わり、いよいよ春がやってきます。
日本で春といえばお花見、桜の季節ですね。

建材として使用される桜についてお話していきたいと思います。
桜には様々な種類があります。
一般的によく見られるソメイヨシノとはオオシマザクラとエドヒガンの雑種とされ、日本各地で見られます。
しかし、ソメイヨシノはねじれ上がりながら成長するので、割れたりしてしまい建材には向いていません。
今回は古くから日本の建築で使われてきたヤマザクラについてご紹介していきたいと思います。

ヤマザクラ(山桜)(本桜)

学名 prunus jamasakura
            (別名:Cerasus jamasakura)
科名 バラ科(サクラ属)
   広葉樹(散孔材)
産地 本州(宮城県・新潟県以南)、四国、九州

ヤマザクラは古くから日本で野生に生息していた桜で、日本の桜の原種として古くから日本人に親しまれている種類です。
4月に花期を迎えると白色や淡いピンク色のヤマザクラが咲きます。
樹高が20メートルを超えることもあり、サクラのなかでは高木に分類されます。大きなものでは30メートルに到達するものもあります。
また、ヤマザクラは先ほどのソメイヨシノとは違い、材質が素直で反りや狂いや少なく、建材としても使用されています。

・性質


ヤマザクラは程よい硬さで粘りがあり強度があるので上質な建材として言われています。
具体的に、硬さなどでいうと床材などでよく見られるアメリカンブラックチェリーなどと同じ質感です。
削れやすく、加工しやすい、生木はかなり暴れるが粘りがあるので割れにくいといわれています。
彫ったところの縁が欠けにくいことから、昔から版木や菓子型に使用されてきた。
他にも家具、茶室(床柱、落とし掛け)、鴨居、造作材、楽器などにも使われていました。

・木目

心材と辺材の境界は明瞭で、心材は赤褐色、辺材は淡黄褐色、黄色、緑色、薄いピンクが点在し、いろいろな色を持っています。
また、繊維の密度が濃く、材質が精密なので肌目が滑らかで表面の仕上がりがスベスベしています。
時間が経つ程、飴色に変化し、上品な雰囲気に落ちつき日本人のいています。
木目はあまりはっきりしておらず、程よく見える感じです。稀に見かける縮杢は天板、カウンター材に珍重されます。
このことからヤマザクラは高級品と呼ばれ、現在市場では入手困難でサクラ材を注文すると代用のカバ材が供給されます。


(床材:サクラ材)

・皮

ヤマザクラは中の木だけでなく皮に高い価値があり、赤みがかった皮には美しい紋様があります。
茶室などで使われる床柱などでは皮を剥がずに磨き上げることでより高級感のある木でもあります。
また、皮を剥いで作る小物も非常に美しく価値があります。
 (山桜の茶筒)

・まとめ

ヤマザクラは皮まで使えて捨てるところが少なく、
時間が経ち経年変化するほど味が出ていく木です。
大切にい使っていきたいですね。

参考文献:木材大事典200(誠文堂新光社)、日本の原点シリーズ 木の文化(新建新聞社)

 

 

丸晴のYouTubeはこちら

https://youtu.be/ISS9FwvblYM

環境にやさしい天然無垢材ナラとオークの違いについて

日本の木造建築は、古くから無垢の木材を用いて建築が行われてきました。

一昔前から、木材の加工技術の向上により、接着剤で木材同士をつなぎ合わせた集成材を中心に木造住宅が建てられています。

しかし、接着剤に含有される化学物質が原因となりシックハウス症候群が誘発されることが多くなり問題視されるようになりました。

このことから現代では、住人にも環境にもやさしい無垢材が注目されています。

今回はそんな無垢材の中でも人気なナラについて紹介していこうと思います。

ナラとは

ナラ(楢)ミズナラ(水楢): ブナ科コナラ属
学名Quercus crispula

「ナラ」とは、日本では古くから木造建築で使用されてきた、品と重厚感のある木材です。

日本ではナラというと主に国産、ロシア産のミズナラから採れた木材をナラ材と呼びます。

寒いロシアで育ったナラは目が詰まっていて良質な木材となります。

一方、ヨーロッパ等で採れるナラの仲間にオーク材がありますが、ナラとオークは見た目はほとんど変わりません

しかし、細かく見ると少し違います。

先ほども述べたように、ロシアのほうが厳しい環境で育っている分目が細かくなりナラに比べるとオークは目が少し粗くなります(個体差、地域によって違う)

特徴

落葉広葉樹であり、高い強度と耐水性を評価されています。用途としては、主に家具床材、ウィスキーの樽、化粧合板として使用されます。

また、ナラは木目(虎斑)がきれいなことも知られています。

美しい木目

板目

丸太の中心部を通らずに切断したときにできる木目のことです。山形であったり、さまざまな曲線の木目になります。
1本の木から切り出せる量が多いので、価格は安いです。

柾目

丸太の中心付近を切り出したときにできる木目のことです。直線的な美しい木目が特徴的です。
ただ、柾目の場合は切り出せる位置が決まっているので量産することができず、価格は高くなります。

虎斑

柾目を切り出す際、木目に虎の毛のような美しい模様が現れることがあります。なかなか手に入れることができないため、虎斑は非常に高価です。

・特性

耐久性が高い、(硬い、長持ち、耐水性)

広葉樹として知られているナラですが、広葉樹の特徴通り重厚で硬く、密度も高いため耐久性が高く床材として適している素材です。

また、耐水性も高く、耐久性の高さはもちろん木材の表面に傷がつきにくいことも床材に適しているといえます。

耐水性が高いことからナラ等はウィスキーを貯蔵する樽の材料として使われています。

樽を作るために使われるナラですが、鉄は10~30年しか持ちませんが、ナラは10~100年持つといわれています。

調湿作用がある収縮が少ない

調湿作用のアルバイト無垢材は、湿度によって伸び縮みします。

この収縮の幅が広ければ反りや変形などを起こしやすいでしょう。

しかし、ナラ材の場合はその他の木材に比べると収縮する幅が少ない為割れや反りなど木材が狂うリスクが低い事が言えます。

デメリット

良質なナラは入手困難

広葉樹であるナラは幹が直線でなく良質な木材を確保しにくい。

ナラの最大の欠点は腐朽菌に犯され赤茶色に変色することです。

立木状態で大きな木ほど変色菌犯されやすく、白色に輝いて見える健全な良材は、非常に少なく貴重です。

また、日本の木材業界ではロシアのナラ材の評価が高い。

そのためロシア産のナラ材が多く使われてきました。

しかし、関税が高くなったり、ワシントン条約の認定を受けたりとロシアがナラやタモの輸出を制限するようになりました。

その為、日本国内でナラ材の供給量が少なくなり価格が高騰しています。

手間がかかる

これはナラ材というより、主に無垢材に言えることなのですが、無垢材はメンテナンスや手入れが必要になってきます。

専用のオイルや塗布や水拭きなど、床材として使用するのであれば、床全体に手入れを行う必要があるため、他と比べると手間がかかってしまいます。

無垢だから割れや反のリスクがある

無垢材は、気温や湿度によっては伸縮を繰り返し、やがて割れや反りといった変形が起こる可能性があります。

その中でもナラは伸縮の割合が少ない木材になりますが、やはり伸縮は行うため、割れや反りのリスクがあると言えます。

まとめ

一般的に、無垢材と言えばメンテナンスなどがあり取り扱いが難しく、繊細なイメージがありますが、ナラは無垢材でありながらも、優れた耐久性と高い耐水性を持ったタフな素材です。

また、木材の収縮が少ないため割れ、反り、と言った狂いが少ないため家具などの素材としても適していると言えるでしょう。

以上のことから「ナラ」は木造建築の床材や家具等で使われているのでしょう。

 

 

参考文献:木材大事典200(誠文堂新光社)、日本の原点シリーズ 木の文化(新建新聞社)

 

 

丸晴のYouTubeはこちら

https://youtu.be/ISS9FwvblYM

 

神の木と崇められ守り続けられてきた『松』

一概に『木』のお家と言っても、どんな木があって、どんな特徴があるかご存知ですか?

意外と知らないことも多く、でも知ることで家を建てるときに、その場所場所にあった『木』を選ぶことができますし、一つ一つ家に使われた木々に愛着を持つことができると思います。

経年が魅力の『木』を楽しむためにも、ぜひ、これを見て一つずつ知識を広げていき、見た目や雰囲気だけでじゃなく、自分好みの木材が選べるようになってもらえたらといいなと思います。

今回は、日本人に馴染みの深い『松(マツ)』についてお話しします。

マツと呼べるのは、マツ科のマツ属だけです。

マツ科マツ属

クロマツ(黒松)、アカマツ(赤松)、トドマツ(椴松)、ヒメコマツ(姫子松)、リュウキュウマツ(琉球松)

名前に「マツ」と付かないマツ科マツ属

ポンデローサパイン、イエローパイン、ラディアタパイン、メルクシパイン、DIY店でお馴染みのホワイトパイン

その他のマツ科

カラマツ(唐松) :マツ科カラマツ属

エゾマツ(蝦夷松):マツ科トウヒ属

トドマツ(椴松) :マツ科モミ属

ベイマツ(米松) :マツ科トガサワラ属

 

その中でも、マツ科マツ属の『黒松』『赤松』は有名どころです。

黒松が雄松(おまつ)と呼ばれるのに対し、赤松は雌松(めまつ)と呼ばれます。

日本の代表的な風景に欠かせず、有名な松林には美保の松原、静岡の千本松原、東海道松並木、天野橋立などが挙げられます。

美保の松原

 

静岡の千本松原

静岡の千本松原

 

東海道松並木

 

天橋立

天橋立といえば、海に細長く突き出た砂州に松を茂らせて、天下の絶景として知られています。

丹後国の風土記によれば、天橋立の長い砂州は、神が天に通うための梯子(はしご)が倒れてできたものとされています。

実際に、砂州の南側にも北側にも多くの社寺があり神仏が祀られています。このような聖域の清浄を守るために、松林を守り育てていかなければなりませんでした。地元の人々の手厚い保護がなければ、今日までこの景観は守られなかったことでしょう。

 

松は神の木

松は瑞木であり、神の依代として、老松は一本ずつに故事来歴が語り伝えられています。

日本の松でその代表の中でも、結婚式でうたわれる謡曲『高砂』は、藩州高砂の浜で老夫婦(実は松の精)に会い、めでたい松の話を聞くというもの。この話もあって、赤松と黒松の相生(二本の松の枝がついたり幹が寄り添ったりしているもの)の松が夫婦和合と長寿を表す、最高にめでたいものとされるようになりました。

また、他にもお祝いするおめでたい詞句には、

松竹梅=三つとも寒さに耐えるところから、歳寒の三友とよび、めでたいものとして慶事に使われる。

松の内=正月を祝う期間。松飾りを飾っておく間

松飾り・門松=正月に門前や軒先などに飾り立てる松(年神様をお迎えする準備が整いました。というお知らせの意味)

松の間=宮殿の中央に位置し、重要な儀式が行われる「正殿(せいでん)」の中でも最も格式が高い部屋です。江戸城中の外様(とざま)大名の詰め所で、大廊下とのしきりの襖(ふすま)に、狩野探幽の筆による松の絵が描かれていたことでこう呼ばれた。

こうした言葉から、格式高い木であるとされてきたことがわかります。

 

木材としてのマツの特徴は

マツを用材として使用され始めたのは、製材用具が開発されてからで比較的近年と考えられています。

鉄製の製材用具が少ない時代は、ノコギリではなく楔(くさび)を打ち、木を割って板を作っていたので、割れにくい松は広葉樹と同様に敬遠されたのでしょう。

しかし、耐水性の高さゆえ、湿気のある場所でも土木用材として使われてきました。

皇居の堀の石垣の基礎にもマツ材が使われています。また、水車もみんなマツで作られてきました。

比較的比重が重く強度に優れているマツは、重構造材に多く使われ、ヤニと曲がりのために柱にはあまり使われませんが、丸太梁は特徴を生かした日本独自の使い方です。

木目は濃淡のコントラストが美しく床の間などにも意匠的に使われます。特に、茶室や数寄屋の床柱として皮付きの赤松丸太は人気があり、落とし掛けや天井の棹縁(さおぶち)などにも使われます。

 

クロマツ(黒松)

【樹名】

 クロマツ

【科名】

 マツ科マツ属

【心材の色】

 淡赤褐色

【辺材の色】

 白褐色
【産地】

 北海道を除いた日本全土

【加工性】

 容易

【糊付接着性】

 良好

【適応箇所】

 耐久性に富み構造材での使用に適する

【主要用途】

 構造材、建具材

クロマツの樹皮は、明瞭な鱗状で大木の勇姿はまさに竜が昇天していく姿に例えられます。

そのため各所の自社仏閣で社木として大切に育てられ、かなりの大木が残っています。

松脂(まつやに)を取るのはアカマツよりもクロマツのほうが良いと言われています。

松脂は石鹸の凝固剤として需要がありました。

上手に乾燥されたクロマツ材は、脂が染み込んで特別に美しい光沢が出ます。

これは、老松(おいまつ)と呼ばれ縁甲板の最高級物とされ、老松の床の間板は最上級品で床の間の脇の地袋の前地袋にはマツを使うのが常識とされています。

クロマツは水分の多い土中で強い耐腐朽性があります。反面、湿度の高い空気中ではかなりの早さで腐食が始まります。

水中耐久性を利用して、クロマツ材は橋や港湾の杭、桁、扉、水門にも使われます。

 

アカマツ(赤松)

【樹名】

 アカマツ

【科名】

 マツ科マツ属

【心材の色】

 淡白褐色

【辺材の色】

 白褐色
【産地】

 北海道南部〜九州

【加工性】

 容易

【糊付接着性】

 良好

【適応箇所】

 耐久性に富み構造材での使用に適する

【主要用途】

 構造材、建具材

アカマツの最も有名な利用は、土中杭です。

水分のある土中に杭として打つと腐食しにくく、明治以降に需要の増えた鉄筋コンクリート作りのビル建設の土中土台に使われました。東京の丸の内ビル群は、岩盤上に堆積した河口土砂帯の上の軟弱な地盤の上の建っているので、建物の基礎として1坪に6〜9本、40尺のアカマツ丸太を打ち込んでありました。

昭和60年代にその古い建物群が取り壊されて改築され始めましたが、土中から引き抜かれたアカマツの杭はまったく腐っておらず、梁材に製材されて再活用されました。

 

カラマツ(唐松)

【樹名】

 カラマツ

【科名】

 マツ科カラマツ属

【心材の色】

 紅褐色

【辺材の色】

 帯褐色白色
【産地】

 天然カラマツは信州が有名、群生地は富士山中腹、日光周辺、八ヶ岳周辺等の火山地帯が有名

【加工性】

 鋸挽:容易  鉋掛:やや困難

【糊付接着性】

 やや困難

【適応箇所】

 鮮やかな木目を活かして床柱、床框、落掛、長押など

【主要用途】

 建具材

 

カラマツは、マツ科ではありますが、アカマツ・クロマツなどのマツ属ではなく、カラマツ属の落葉針葉樹です。

日本の針葉樹の中では、唯一落葉します。

明るいとこを好み、耐寒性が高く、地味の悪い土地にもよく耐え、火山灰地にもよく育ちます。

ただし、この林が大きくなるとその陰にツガやトウヒが育つので、人手が入らないとカラマツの林は一代限りのものになってしまいます。

天然のカラマツの材質は、年輪も細かく重厚な感じで、黒みがかった赤褐色の板目の木目は鮮やかです。

植林されたカラマツは、スパイラル状にねじれる性質があり板目面に斜めに干割れが並ぶという欠点が出ます。

天然カラマツは天唐と呼ばれ、樹心に近い部分も年輪が粗にならず、辺材に至るまで均等に詰んだ年輪が並んでいます。

天然カラマツの節の少ない良材は重厚な色調と鮮やかな木目を活かして、床柱、床框、落掛、長押に推奨されています。

 

まとめ

マツ(松)の木は、古くから鑑賞用としても親しまれ崇められてきました。

そのマツが作る景色は美しく、神との繋がりを感じさせる景観は誰をも圧巻させるものとなります。

しかし、それは人々の手厚い保護を持って守り続いていってるのを忘れてはいけません。

建築現場では、縁の下の力持ちとして構造材には欠かせない存在となっています。また梁に使われたときはその迫力に魅了されます。今回、マツのことを知った上で家にかけられるアカマツの梁を見るとまた違って見えてきました。

ぜひ、動画でもマツを楽しんで頂けたらと思います。

赤松の太鼓梁墨付け刻み動画

https://youtu.be/Nf6Yo2L–Qw

 

参考文献:木材大事典200(誠文堂新光社)、日本の原点シリーズ 木の文化(新建新聞社)

青森ヒバってどんな特徴があるの?

数多くの材木。

一つ一つを見るととても個性的で一つとして同じものはありません。

土地や生育環境など土が同じでも太陽の当たり方、傾斜のついた場所でも全く違うものになります。

そんな人間のように多種多様な木材について書いていけたらと思います。

今回は、青森ヒバについて書きます。

青森ヒバ【桧葉】とは

日本国のヒバは、8割以上が青森県に生育しているが、これらは「青森ヒバ」と呼ばれ、天然秋田スギ、木曽ヒノキと並んで日本三大美林の一つになっています。

ヒノキ科アスナロ属

青森ヒバは、樹高30m、直径80cmに達する日本特有の針葉樹高木です。

青森ヒバは、秋田杉と同様に枝が接地したところに根を下ろし、新たな樹がそこから成長します。

青森ヒバはアテ(斜面に育成した樹木は自分が倒れるのを防ぐために隣地部付近に強く丈夫な肉部を作り、正常な木質部より特に硬くなっている部分)が強く、「アテ」とも呼ばれ、青森ではヒノキとも呼んでいます。

一般の木材に対しては農林規格にアテの欠点規定はありませんが、青森ヒバについては特別にアテの規定があります。

青森ヒバは木曽ヒノキの3倍、秋田スギの7倍くらいの蓄積量があります。

この木は、暗い太陽光の届かない林の下でも枯死しないで、50年もかけて1mの木に成長した例もあり、200年も地下で耐えていたと見られる例さえもあります。

現在では300年を越した樹齢の樹木は非常にまれで、わずかしか残っていません。

長い年月をかけてゆっくりと成長し、長い風雪に耐えた天然木だからこそ、強くて緻密な木目が見られます。

 

温泉などに使われる理由

青森ヒバは東北方面の神社仏閣に多く使われていますが、薬用成分が含まれているために湿気や腐れに対する耐久性が強い性質も証明され、水湿耐朽性が強いので建築では圧倒的に土台に使われます。風呂用材にも適し、鉄道の枕木としても優秀です。

青森県にある「鶴の舞橋」は、岩木山の雄大な山影を湖面に美しく写す津軽富士見湖に、日本一長い木造三連太鼓橋として1等材の青森ヒバを使用して架けられました。

全長300メートルもの三連太鼓橋はぬくもりを感じさせるような優しいアーチをしており、鶴と国際交流の里・鶴田町のシンボルとして、多くの人々に愛されています。
岩木山を背景にした舞橋の姿が鶴が空に舞う姿に見えるとも言われ、また、橋を渡ると長生きができるとも言われています。夜明けとともに浮かび上がる湖面の橋の姿や、夕陽に色づく湖と鶴の舞橋は絶景で、季節の移り変わりと共に多くの観光客たちの目を楽しませています。

 

シロアリを寄せ付けません。

  昔から「総ひば造りの家には、蚊が3年間は入らない」と言われてきました。またひば材の土台は腐りにくく、シロアリの被害も受けないことも知られています。その秘密は、ヒバの中にヒノキチオールなどの薬効成分が多く含まれているためです。木材全体にその効力があり、切断・加工してもその効果は薄れませんし、天然のものですから薬害の心配もありません。

 

その他の楽しみ方

その強い香りから、木チップや精油などで防虫対策を行なったり、冷蔵庫の消臭、トイレの芳香など。

また、ストレスを和らげ集中力を増す作用があることから、アロマオイルなどで香りを楽しめるそうです。

 

まとめ

長い年月を経て木材になる青森ヒバは、アテが多く扱いづらい木材かもしれませんが、木の扱い方を知っている大工により強くて緻密な木目を生かしたモノづくりはこれからも続いていきます。また防虫効果のある強い香りは、自然に触れる機会が少なくなってきている人間にとっては、森林浴のような自然を感じられる香りなので、現代の癒しの香りとなってくれるのではないかと思います。

 

参考資料:誠文堂新光社「木材大事典200」

 

青森ヒバを使った収納棚作成動画you tubeはこちら

https://youtu.be/LahEVLv8rtE

日本だけに生息する『杉(スギ)』の木

一概に『木』のお家と言っても、どんな木があって、どんな特徴があるかご存知ですか?

私は、調べるまで全く知りませんでした。

意外と知らないことも多く、でも知ることで家を建てるときに、その場所場所にあった『木』を選ぶことができますし、一つ一つ家に使われた木々に愛着を持つことができると思います。

経年が魅力の『木』を楽しむためにも、ぜひ、これを見て一つずつ知識が広げていき、見た目や雰囲気だけでじゃなく、自分好みの木材が選べるようになってもらえたらといいなと思います。

今回は、日本唯一の『杉(スギ)』についてお話しします。

杉の木

【樹名】

 スギ

【科名】

 スギ科スギ属

【心材の色】

 赤褐色

【辺材の色】

 白色
【産地】

 北海道南部〜九州

【加工性】

 木質が軽軟なため容易

【塗装性】

 塗装の拭き込みに注意する

【適応箇所】

 屋内での使用に適する

【主要用途】

 構造材、造作材、家具材、建具材

 

国産の針葉樹を代表する材です。

昔から建築材(構造材、造作材、建具材、家具材など)で幅広い用途に使われ、日本人に親しまれてきました。針葉樹の中でも柔らかい部類に入り、肌触りがあたたかく、水や虫にも強い材であるため、屋外の壁や戸などにも用いられています。

銘木としては、天井板はおおむねスギときまっているもののようで、高級品はうずくり仕上げ(茅の根を切り揃えたタワシ状のもので、木肌をこすり、杢目をきわだたせ光沢を出す仕上げ)をされたものが好まれます。茶室や数寄屋造りで床柱や化粧垂木に用いられる磨丸太や絞り丸太は、京都北山地方と奈良吉野地方を代表としています。

スギの天井板の木目は、柾目、板目、中杢、笹目、上杢と五つの銘柄に分けて取引されています。

落ち着いた本格的な客間には、柾目や中杢が好まれます。裏スギの北方系のスギは素直な木目で、太平洋岸の表スギは秋目の色が濃く、木目が一層鮮やかです。

 

柾目
板目
笹杢

 

 

 

 

 

 

 

 

表スギと裏スギ

スギは、中央山脈を分岐点として、日本海側に生息するスギを裏スギと呼び、太平洋側のスギを表スギと呼び、同じスギでも性質は大きく異なります。

いったん枝から着地した場所から芽を出して樹になる裏スギは、優しい木目が特徴で、天井周りも、廻り縁、竿縁は裏スギの秋田の木端柾物(こばまさ)が好まれ、敷居、鴨居も秋田のものは落ち着きがあるとされています。

また、和室の大広間などの独立柱は4面使用なので、背割れのある1本取りの芯持材は使えません。秋田スギの四方柾を使うのが最良とされており、長押(なげし)には、秋田スギの目の通った柾目が最上品とされています。

秋田スギは、裏スギの代表ですが、丹沢スギ、天城スギ、吉野スギ、魚梁瀬スギ、屋久スギも裏スギの仲間です。

参考資料:誠文堂『木材大辞典200種』

 

杉の銘木

神代杉

神代杉とは、数百年以上も土中に埋没していたもの(山が噴火して溶岩と一緒に埋まったもの)で色調の黒っぽいものを黒神代、茶色っぽいものを茶神代といい、渋い色調を珍重して天井板、落掛などに用いられます。

伊豆地方から出土したものが高く評価されたが、近年では数少ないようです。

神代杉(天井板)

 

春日杉

奈良県春日神社境内および春日山から得られる数百年生の植栽樹です。

法的規則(承和8年の勅命により神山として狩猟伐採が禁じられ、「天然記念物春日山原始林」となっている)の樹木であるから、風倒木や枯損木しか用材されません。心材は少し桃色がかった美しい赤色で、年輪は緻密です。秋目がくっきりと明瞭で笹杢と呼ばれるすっきりとした優雅な杢目は、最高級品として天井板や落掛などに用いられ、高く評価されています。柾目も美しく得難い。樹脂分がかなり多く、光沢があります。

春日杉前杢正角(角柱)

 

吉野杉

奈良県吉野地方に古くから植林された民有林材で、量的には他の銘杉類とは異なり、今後とも供給可能性は大きいです。心材は、淡紅色で、白みがかったものが良いとされています。吉野杉は樹脂分が程よく含まれ、手垢がつきにくいために、造作材としても喜ばれています。柱や造作に用いられる、赤杉と呼ばれる赤味の濃いものは、秋田赤杉よりも経年変化によって秋目がよく残り、高く評価されます。

吉野杉中杢広板(天井板)

 

薩摩杉

屋久杉ともよばれます。

鹿児島県屋久島の天然性の杉です。

原生林で有名なのが屋久杉ですが、日本のスギの原生林は、ほとんどが国有林となっております。1000年以上の木を本屋久杉と呼び、実際樹齢2000年〜4000年と推定されるものが多いです。このうち大きいものでは、樹高が50m以上になるものもあります。

多雨急峻(急斜地かつ多雨)の岩盤地帯に生えていることと、老樹であるために、年輪はきわめて緻密で、樹脂分も多く耐久性も大きく、心材は黄茶色から赤茶色で、鶉杢(うずらもく)とよばれる独特の杢目は、天井板、落掛などに高く評価されます。近年、資源保護の要請から伐採は限られ、風倒木や枯損木から得られたものが多く、樹脂分がかたまっていたり、腐れや染みが顕著であったり、欠点の目につく材が多いですが、腐れを利用した欄間も風雅で好まれてきました。

屋久杉天然杢(天井板)

 

秋田杉

秋田県米代川流域から産出され、藩政時代からの植林材です。

生育場所が広範なところから、心材の色調は鮮やかな淡黄色から淡紅色で、赤みの濃いものが多く、杢目も多様で春日杉や霧島杉に似たものも得られました。また、色調や杢目の同じものが揃えられたり、柾目の年輪幅の揃った幅広材が得られたり、伸縮性が少ないなどの特徴も挙げられます。柱や造作材としては高く評価されています。

秋田杉天然杢(天井板)

 

土佐杉

梁瀬杉(やなせすぎ)とも呼ばれます。

高知県梁瀬地方に産する藩政時代の植栽林で、心材はいくらか褐色がかった赤色で、樹脂分がかなり多く、材質として杉のなかではいくらか硬く、反りや狂いが大きいと言われています。しかし、力強い杢板は、天井板として高く評価されています。

土佐杉(天井板)

 

霧島杉

九州の霧島地方産の杉で、天井板としても床柱としても、きわめて高く評価されてきました。

心材は黄味がかった紅褐色で、春目が白っぽく、杢目が緻密で、優美な印象をもたらす希少材です。

霧島杉前杢正角(角柱)

 

挟野杉

霧島系のなかでも最も高く評価された、宮崎県挟野神社の境内林材で、現在では十数本しか存在しません。

気品のある繊細な雅致をもつが、ほとんど入手不可能。

狭野杉天然杢(天井板)

市房杉

霧島系の杉で、宮崎県・熊本県の県境にそびえる市房山の、市房神社の参道に数百年の昔に植栽されたもので、春目が白っぽく秋目が淡紅色で、おとなしやかで華やかさのある笹木は高く評価されます。数十本ほどしか残っておらず風倒木や枯損木のない限り市場に出ることがありません。

 

御山杉

伊勢神宮の境内林の杉です。

心材は黄紅色で、杢目は細かく、優美で気品のある笹杢は、天井板として高く評価されました。風倒木や枯損木で出まわることがあるかもしれない希少材です。

 

日光杉

日光東照宮や摂社並びに街道並木の杉。

春日杉に似た色調で、杢目も細かく、光沢もありますが、ただ秋目が硬いとされてきました。

風倒木や枯損木しか用材とならない材です。

 

北山杉

磨丸太、絞丸太、垂木などの丸太材として知られています。

節のない美しい木肌、本末が同じ太さで、外形が丸に近い磨丸太は数寄屋建築に欠かすことのできず、特産のシボ丸太は床柱として広く使われています。

北山天然シボ丸太

 

銘木とは、自然が作り上げた、自然な肌合いの清純な感覚と美しさであり、端正に塗り上げられたものよりも、木地のままをよしとする、少なくとも数寄道においては高しとする価値観は、人の道にも通ずるものがあります。だからこそ、人は銘木をみて美しいと感じるのかもしれません。

 

参考資料:小学館 数寄屋建築集成 銘木集

 

終わりに

弊社で取り扱う良質な木材は、奈良や静岡で産出されています。

奈良吉野の木材は、年輪が狭く密度が高いことから、強くたわみにくい特徴があります。これは、台風や地震などに耐えうる家づくりをするうえで重要な要素となっています。また、節が少なく、年輪が均一で美しいまっすぐな木目をしていることも特徴です。また、静岡の木材は、年間2000mm以上の雨、そして温暖な気候により、素直でまっすぐな木々が多く、色艶が美しい木材です。このような良質な木材を使うことで、安心で木の温もりを感じられる住まいを作り地域への貢献に繋げています。

こちらの建物では、北山杉と春日杉と秋田杉を使用しています。

 

杉の舎(写真引用元)

https://suginoyas.com/quality.htm

天然木の造形美 杢の種類(写真引用元)

https://wp1.fuchu.jp/~kagu/siryo/moku.htm

泰平木材有限会社(写真引用元)

http://www.ued.janis.or.jp/~taihei/mokuzai.html

自然の生気と美しさ『欅』について

普段、生活をしていると大して気にならないのに、

家を木のお家にしたいな。北欧風のお家にしたいな。などなどお家のことを考えだすと、間取りとか、キッチンとかたくさん考えますよね。

そして次に気になってくるのが、木のお家でメインとなる材料の『木』。木と言ってもいっぱいあるし、どんな木がいいんだろう。どんな種類があるんだろう。どんな特徴があるんだろう。など、意外と知らないことだらけ。

そんな『木』について書いていこうと思います。

これを見て一つずつ知識が広がっていき、見た目や雰囲気だけでじゃなく、自分好みの木材が選べるようになってもらえたらといいなと思います。

今回は木々の王様『欅(けやき)』についてお話しします。

 

欅(けやき)とは

 

【樹名】

 ケヤキ・ツキ

【科名】

 ニレ科ニレ属

【心材の色】

 帯黄紅褐色

【辺材の色】

 灰白色
【産地】

 本州、四国、九州

【加工性】

 木肌が緻密なので美しく仕上がる

【塗装性】

 無塗装で磨き上げられることが多い

【適応箇所】

 屋内外に適する

【主要用途】

 構造材、大黒柱、床材、家具材、建具材

 

北海道を除いて全国から産出し、日本の広葉樹を代表するものとしてよく知られています。

木は一般的に樹齢200年で銘木とよばれますが、欅(けやき)は樹齢300〜400年のものもあり、樹木としての寿命が長いことから巨樹・老樹が多く、社寺建築材や城郭建築、民家の大黒柱に用いられてきました。

有名なところでは、京都の清水寺の舞台の柱が巨大な欅の材が使われています。

大径木の年輪幅の狭いものは、狂いが少なく重用されます。

そのため、製材業者は、年輪のつんだ山欅と育ちが良いため杢目の味わいが乏しい里欅とを区別しているそうです。

また、『欅』と『槻(けやき)』は植物学上は同じとされていますが、木材としては区別されてきました。

材色・材質に優れたものを『欅』、育ちが良く年輪幅の広い材は、赤みが少なく堅い材のできる性質から加工が困難で狂いのでやすいものを『槻』としているようです。

銘木業界では、『槻』のことを材色が青味がかっていることから、『青欅』といい、それに対して良材を『本欅』ともいうそうです。

用途は、伝統をふまえて床柱、床地板、床框、落掛、棚板、上り框、床板、内装材などに使われています。

やや重厚材な特色を生かし、座卓やテーブル、カウンターなど家具作りに用いられていることも多いです。

参照:誠文堂『樹種辞典』

杢目

心材は黄味がかった褐色から紅褐色で、板目面、柾目面とも木理(木目)がきわめて明快にあらわれるため、また老木では、大径に育つ中で、幹がさまざまな形になり、複雑で装飾的な杢目が得られ、高く評価されています。

如鱗杢(じょりんもく)魚の鱗のような杢目や玉杢(たまもく)同心円形の杢目、鶉杢(うずらもく)うずらの羽のような杢目の美しいものは、1m角で何百万とするものもあります。

これは、玉杢(たまもく)の端材で、

 

これが、玉杢の鏡台です。(川崎マイスターが作りました。)

 

他にもたくさんの木材があり、それぞれ特色など違い、そういった木の性質を知り尽くして、それを合理的に活用して建築の性能や美しさに生かしていけることは素晴らしいことだと思います。

丸晴工務店で建てさせていただいたお客様は、この欅をどこかしらに使用している場合が多いです。

例えば。

材木ストック置き場にも数多くの欅材が保管されております。

木の空間に住う人たちへ木の香りや、自然の生気と美しさをこれからも伝えられたらと思います。

 

能勢町けやき資料館 (写真引用元)

http://www.town.nose.osaka.jp/topics/5959.html

天然木の造形美 杢の種類(写真引用元)

https://wp1.fuchu.jp/~kagu/siryo/moku.htm

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