第3回多摩川建築塾『藤井 章さんによる設計指導』

先日、月に1度の多摩川建築塾がありました。

多摩川建築塾というのは、全国のプロの建築士が貪欲に設計を学ぶところで、

以前までは、丸晴工務店に大勢の設計士たちが集まり、講義を聞いていましたが、現在では、先生、設計士ともにzoomにて開催しております。

 

講義を行なって頂く先生方は有名な先生方ばかりで、

今回は、吉村順三氏の元で設計をされていた、藤井章先生でした。

第一回目の講義で出された設計課題に対して、添削、指導をして頂きました。

【設計課題】

設計に責任を持たないといけない

設計をしていく中で、少しでも違和感のある場所が出てしまったら、それは一から設計をやり直さなければならない。

そのままにすることは、設計を放棄しているのと同じです。

現実にあるものを考えきること

駐車場があるということは、車の履き替えるタイヤや洗車道具などを置くスペースの確保が必要になります。

キッチンには家電以外にも、食材のストックなど多くのものを収納しないといけません。家電や食器の配置、収納棚の確保をしてください。

 

生活に付随するものを想像する

窓の位置、景色や内側からの高さはもちろん重要ですが、

外側の窓の拭き掃除。自分たちでもできるように設計されているのか?

また、1階寝室の上やすぐ近くにトイレがあれば、流す音が聞こえてしまい不快ですね。

食卓に並ぶ窓は高さを揃えることで、肘をかけることもできるでしょ。

 

南側を大事にする

南側の階段やトイレはやめましょう。

できるだけ空間を広く、ゆったりとした空間に。

南側に持ってくる部屋をよく考える。昼間に居る人を考えると、自然と部屋の配置が決まると思います。

 

 

厳しいお言葉も多くありましたが、設計をする上でとてもためになるお話でした。

お話しいただいた一部となりますが、お家づくりに来られる方の生活に寄り添い、家族構成、行動、生活スタイルを考えきることが大事なのだと学びました。

『多摩川建築塾』に参加される設計士は、常に設計に対して熱い思いがあり、街、人、暮らしをよくするためにはどうしたらいいか。その答えを探すためにも勉強会に参加し、先人の建築をみて学び、欠くことのない探究心で設計をしているのだと思います。

次回は、あの構造設計の『山辺豊彦さん』です!

とても楽しみです。

外壁材のガルバニウム鋼板について

外壁材の種類がたくさんある中で、ガルバニウム鋼板という外壁材があるのをご存知でしょうか?

最近は、建物の外壁や屋根の材料などの各種建築材料として近年使用が増加しています。

知っていてもどんなものかはよくわからない、どんな性能があるのか知らない。という方のために、

外壁材に使われるガルバニウム銅板とは何なのか、またどんなメリットデメリットがあるのか、お話ししていこうと思います。

 

 

ガルバニウム鋼板とは何か?

ガルバリウムは、めっき金属として純亜鉛ではなく、アルミニウム +亜鉛+珪素 の合金をいいます。

アルミニウムはめっき層表面に強固な不動態皮膜を形成して、めっき層を保護する働きを持っています。

亜鉛は、犠牲防食と言って、水中などの腐食環境下において鉄よりも先に亜鉛が溶け出すことで、原板である鉄の腐食を防止します。

そのため亜鉛が腐食し、腐食生成物がめっき層の腐食進行を抑制し、亜鉛が腐食して空いた穴の部分をアルミニウムが保護するため、全体として高い防食性を発揮します。

そのガルバニウムを施した鉄(鋼板)の建材をガルバニウム鋼板と言います。

 

耐久性

先にもお伝えしたように、錆びにくく耐久性が約25〜30年ほどとされています。

張り替えなどのメンテナス回数が少ないことで、使用建材も抑えられます。

また軽量なため、耐震性にも優れております。

張り替え後など、リサイクルすることで環境負荷も減らせ、人と地球に優しい建材と言えます。

 

価格帯

ガルバリウム鋼板など金属建材は、スレートや窯業サイディングよりも少し価格は高くなるものの、同じ耐食鋼材として広く使用されているステンレス鋼板に比べると、購入単価が大幅に安いことから、特に最近のステンレス鋼価格高騰を受けて、材料選定切り替えの動きが進んでいます。

 

デザイン

見た目も昔のトタンとは違い、オシャレなものに変化してきているので、幅広い方に好まれます。木製のものとも相性が良く、家の雰囲気づくりに欠かせなくなってきています。

 

メンテナンス

ガルバリウム鋼板は湿気や雨水を吸収することがないので、、他の外壁材に比べて汚れが付きにくい素材です。

ただし、沿岸地域の潮風や工場の排気ガス、森林など樹木や落ち葉の影響を受けることがあります。
潮風や排気ガスの成分や落ち葉などがガルバリウム鋼板に触れると、電食を引き起こし錆の原因となります。
またアンテナやアンテナを留める鉄線、留め具から発生する錆びがうつる、もらい錆びが起きる可能性もあります。

こうした影響を受ける環境でガルバリウム鋼板を屋根や外壁に用いる際は、点検をこまめに行いメンテナンスの頻度を高める必要があります。

 

専門性

ガルバリウム鋼板の施工をおこなうのは板金工職人さんで専門性が高く、技術力の高い業者さんがなかなかいません。

そのため、工期が多少伸びる可能性があります。

 

メリットデメリット両方が存在していますが、どんな外壁材も完璧なものはないと思っています。

特徴などよく理解して頂き、合った外壁材を見つけて頂けたらと思います。

もっと詳しく聞きたい、他どんなデザインがあるのか知りたいなどあれば、

https://www.marusei-j.co.jp/work-list/

こちらをご覧ください。

 

板金屋さん〜外壁ガルバリウム鋼板〜施工動画も良ければぜひご覧ください。

https://youtu.be/QxEJ9ik4Onk

 

どこか懐かしくどこか愛おしい家

解体の日。

思い出の詰まった

このお家。

昔ながらの

ガラスの玄関。

どこか懐かしくどこか愛おしい。

 

 

階段を上がった先の

お子さまが使われていたであろう

お部屋には、かたむいた賞状が飾ってありました。

 

 

歴史を感じさせる

このお家を

解体するのは

少しもったいないような

そんな気にもなりました。

 

でも、

世代が変わり

賞状のお子さまが

今度は母になり、

また新たな歴史を刻むため

新しいお家が建ちます。

 

この新しいお家も

いつか、

愛おしいと思ってもらえる

そんなお家を

建てたい。

 

そう願ってお家を建てます。

 

丸晴工務店 施工事例

https://www.marusei-j.co.jp/work-list/

丸晴工務店 作業動画you tube

https://youtu.be/79AYmGoKiuQ

第2回多摩川建築塾『田中敏溥さん』

先週末、第2回多摩川建築塾が開催されました。

今回は、『田中敏溥さん』でした。

コロナのこともあり、今はZOOMでの開催なので、

ZOOM講義が苦手な田中さんからは、出て頂くたびに『これで最後ね。』と言われながら、

毎回オファーを受けてくださっているそうです。

何度聞いてもためになるお話なので、これからもぜひお願いしたいです。

今回のお話は、

”土地の特性を読み解く”

どんなお家も土地環境、景観環境、建築条件などあらゆる規制や、いいところがあります。

そういった土地の特性を読み取っていいお家を建てる。

そんなお話でした。

『吉祥寺の家』

この土地は、大きな桜の木が植わっていて、その桜を生かす設計を行なったそうですが、工事が始まってみて初めて桜の木を抜かないといけないという結果になり、桜のために開けた開口部をどうするか検討し、ヤマボウシを桜のボリュームに合わせるため、2本植えたそうです。

リビングから見える景色と道から見える景色。昼、夜の両方の見え方を意識して、開口部の建具は引きこめるように設計を行ない、一つの絵のように見えるようにしたそうです。

「道にやさしく」(風土社:建築家の心象風景 田中敏溥より)

都心に近い住宅地、27坪の敷地の建替計画。夫婦だけの街なかの家。

古い家には、道の境に桜の木があり、枯葉が庭と道をおおい、街に大きな緑を与えていた。

木を取り込んだ家、道にやさしく接する家をつくることを計画の基本にした。庭師に木を診断してもらったところ、危険な状態であることがわかり、やむを得ず切り倒し、代役には桜の思いをこめて、夫婦の好きなヤマボウシの大きな株立ちが選ばれた。

家族室は、道を介した視界の広がりと明るさを求めて2階に設けた。

南東の角に大きくL型に開けられた窓前には、ヤマボウシが道とのやさしい緩衝役になるよう植えられた。

春から秋にかけては緑のスクリーン、冬は日光を入れる枝のスクリーンになる。家は昼だけでなく夜の姿にも責任を持ちたいと思っている。ヤマボウシの枝葉越しに窓の明かりが暖かく見えることを願った。

道の境と外壁の間は1.2m、そこに小さなアプローチとゲート、自転車置き場をつくった。道との境には鉄と木を組み合わせた高さ2mのフェンスを設け、モッコウバラを這わせた。この家の5年後、10年後が楽しみである。

家はつくづくその家族だけのものではなく街のものであると思う。家を道にやさしくつくりたいと思っている。

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田中敏溥建築設計事務所HP「吉祥寺の家」

https://www.tanakaaa.com/blank-3

 

『国立の家』

この土地は、斜線制限のある小さな敷地のため、断面空間を無駄なく使うために地下室を設け、天井高をギリギリまで下げたりと、上げ下げを繰り返して設計したそうです。また隣地と密接しており、緑を入れることが難しいため、縦に緑を入れようと、外壁と並行して、ワイヤーを張り巡らせて、そこにムベやヒイラギなどの緑を絡ませて緑の壁を作ったそうです。

 

「小さな敷地の大きな暮らし」(風土社:建築家の心象風景 田中敏溥より)

東京郊外の24坪弱の敷地に建つ4人家族の家。

条件は「ゆったりした家族室・独立した客室・ちょっとした書斎・十分な収納・計画された庭(緑)・近隣に配慮した家・以上を満たした経済的な家づくり」という七つ。

小さな敷地の小さな家で七つび条件に応えた家をつくることと、さらに都市型住宅の「一つの型」をつくりたいという希望があった。そのために、設計するときの心構えを二つつくった。もったいないという気持ちで設計することと、緩急をつけた設計をすること。

たとえば、与えられた断面空間を無駄なく使うために、天井高をギリギリの寸法にしたり、天井を張らなかったり。廊下、階段の動線空間や私室を小さくし、家族室をできる限り広くつくろうとしたり。

設計とは、限られた面積や各寸法、それに予算の配分作業である。小さな敷地に大きな暮らしをつくる上で重要なことは、すべてに節約することではなく、均等に分けることでもなく、大切なところに大きく配分する勇気を持つことである。

 

家は場所に合わせてつくる・自分の家は街のもの・敷地を無駄に使わないという三つの意識を大切にしてよく考えられた家は、街に気配りされた佇まいになり、大きな視点からも土地が有効に利用される。その家は場所を生かすことになる。

小さな敷地ほど、条件が厳しいほど、場所の特性を読み解くことに時間をかけ、家づくりに反映させ、街の景観環境を高めていくことが必要である。

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田中敏溥さんという方は、

設計をする上で、常に周りの方々と街並みにもに気を配り、設計を行なっています。

それは、、、

『お隣さんは家を作ってほしいと思っていないでしょ。そもそも家を建てること自体が迷惑となるのだから、迷惑があからさまにならないようにすることが大事。どんなに自分勝手な施主さんがいても、要望をニコニコしながら聞き、お隣さんに迷惑のかからない家づくりをすることが大事。それに、貪欲にまわりの土地を取り入れて、街に責任を持って建築していくことが街づくりにつながる』そういった考えがあるから、周りや街にやさしいお家を建てることができるのだと思います。

街に住むのだから、家は街のもの。

仲良くする家をつくる。

緑を取り入れることは、街に対する愛情。

常に周りへの配慮。

これらを忘れずに設計することが、

いいお家をつくることに繋がるのだと思いました。

 

田中敏溥さんの絵本について書いたブログはこちら

https://www.marusei-j.co.jp/人や街が豊かになる造園や植栽をするには/

気になるアプローチの植栽について

先日、ホームページにもある施工写真の草についてお問合せがありました。

コロナの影響もあり、今ガーデニング関連がブーム見たいですね。

 

そこで、

今回は、この草花の紹介をしていきたいと思います。

 

 

ヒメイワダレソウ

クマツヅラ科/多年草

[特性]

日当〜半日陰で育てる。

極端に寒い場所や暑い場所でなければ、どんな環境下でも育ち繁殖する。

しかし、日陰や湿地帯だと花つきが悪くなったり、茎がほそく育つことがある。

寒さに弱く、冬にはすべて枯れてしまう。

[お手入れ メンテナンス]

日照り続きなどで土が乾いていない限りは、年間を通して水やりは必要ない。

 

レモンタイム

シソ科/多年草

[特性]

日向で育てる。

薬や料理用のハーブとして良く用いられ、温かみのある強い芳香をもつ。

地中海に分布し、水はけがよく日光の多い場所が生育に適する。

10〜40センチメートルほどの低い茂みになる。

晩春から初夏にかけて、淡い紫桃色の花を咲かせる。葉は明緑色で、レモンのような芳香がある。

[お手入れ メンテナンス]

日当りのよい場所を好み、水はけや風通しのよい場所、弱アルカリ性の土壌で栽培する。

高温多湿や日照不足になると枯れてしまう場合があるので気をつける。

 

クマザサ

イネ科/常緑多年草

[特性]

半日陰で育てる。

深緑色の葉は長さ10〜25㎝の長楕円形で、冬になると葉緑が枯れて白く縁取られる。

水はけの良い肥沃な土壌で育つ。

[お手入れ メンテナンス]

一度植えつければ、特に手入れをする必要はない。

刈り込みにより、草丈を低く抑えると地下茎でどんどん殖える。

 

ベニシダ

オシダ科/常緑多年草

[特性]

半日陰〜日向で育てる。

若葉が紅紫色で、徐々に緑色に変化する

石や樹木の幹元で使うとお互いの美しさが引き立ち、日本の山らしい雰囲気がよく出る。

[お手入れ メンテナンス]

病害虫の心配がなく、肥料も必要ない。枯れた葉を切り取ると新葉が生えやすい。

 

オニヤブソテツ

イネ科/常緑多年草

[特性]

日向〜半日陰で育てる。

おもに海岸近くの日当りのよい場所でみられる常緑シダ。

塊状の根茎をもつ。

[お手入れ メンテナンス]

一度植え付ければ特に手間はかかりません。

病虫害も特になし。

 

スナゴケ

ギボウシゴケ科/コケ植物

[特性]

半日陰で育てる。

日当りと水はけのよい場所を好む。石との相性もよく、落ち着いた雰囲気が出る。耐寒性・耐暑性があり丈夫。

[お手入れ メンテナンス]

蒸れに注意して、乾燥気味に育てる。水やりは日中を避け、表面に撒く程度でよい。

 

これらの植栽はどこで購入できるの?

まずお近くのホームセンターなどでも種類は少ないですが購入できると思います。

丸晴工務店のお勧めの購入場所としまして

SOLSO FARM

地元川崎市にあるとても人気があるガーデニング店舗です。

二子多摩川の蔦屋家電にも出店しているようです。

とてもオシャレな店舗で子供と行っても遊べる遊具などがあります。

オザキフラワーパーク

とても有名なところですが、植栽の種類がとっても豊富です。

渋谷園芸 練馬本店

とても種類が豊富です。いつも地被植物を購入しています。

 

自分たちで植えたり、家の植栽に生かしてみてはいかがでしょうか。

お家がとても好きになります。

 

2棟の地鎮祭が行われました。

先日、瀬谷区と町田市にて、2棟の地鎮祭が行われました。

神聖な地鎮祭を前に少し緊張気味の施主様方。

お子様たちも緊張した面持ちで参加されていました。

地鎮祭とは

その土地の守護神(鎮守神)を祀り、土地を利用させてもらうことの許しを得て、工事の無事を祈る儀式とされています。

一般的には、土地の四隅に青竹を立て、その間を注連縄で囲って祭場となし、斎主たる神職のもと、建設業者・設計者・施主らの参列の上で執り行う。場合によっては、赤白の横断幕を張ったテントの中で行われる事もある。祭場の中には木の台(案という)を備え、その中央に神籬(ひもろぎ、大榊に御幣・木綿を付けた物で、これに神を呼ぶ)を立てて祭壇(南向きまたは東向き)となし、米・酒・魚・野菜・塩・水等の供え物を供える。また、関西などの特定の地方によっては伊勢神宮近隣の浜から砂または塩を取り寄せ、四隅に置く場合もある。祭壇の左右に、青・黄・赤・白・黒の五色絹の幟に榊をつけた「真榊」を立てる場合もある。この五色絹は五行説における天地万物を組成している5つの要素、つまり木・火・土・金・水を表している。昔は竜柱(祝い柱)を建て、丑寅(北東)と未申(西南)の方向にそれぞれ矢を立てて普請の安全を祈った。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

 

 

土地の神様へのご挨拶も済み、これからたくさんの想いや希望の詰まったお家作りが始まります。

12月・1月にお問合せ頂いてから、たくさんの打ち合わせを重ねてきましたね。

まだまだこれからもお家づくりは続きます。

一緒にいいお家を建てていきましょう。

 

次の行事は、上棟式です。

https://www.marusei-j.co.jp/上棟式とは何なのか?大工工務店だからこと知っ/

大工の墨付け〜現場LIVE〜

木組みの家づくりにおける、

柱や桁などの墨付けって見たことありますか?

そもそも墨付けって何?

って思われる方も多いと思います。

木を組む上で、一つ一つの木材に凹凸の加工をして組みます。

それを、仕口、継手などと言ったりします。

そんな仕口や継手を加工するための印をつけることを墨付けと言います。

現在では、手刻みで加工するところが少なくなってしまい、9割が機械によるプレカットになっています。

そのため、墨付けを見る機会も少ないと思います。

今回は、そんな墨付けをピックアップして、どんな風に木組みの家が出来上がるのか、楽しんで見て頂けたらと思います。

 

墨付けとは

木材の角材面に切ったり、削ったりする工作の基準となる線や記号、符号などをつけることを言います。

各工事を行う際の基準となる通り心や高さ、仕上げの位置などを工事の段階に応じて基礎や柱、壁面などに印をしたり、部材を刻み加工する前に、その加工に必要な基準線の位置、寸法、印などをつけます。

道具は、墨壺、墨刺、曲尺、尺杖などが用いられます。

木造住宅では、まず土台、桁、梁などの横架材の詳細な寸法関係(断面や内法寸法の微妙な食い違い)や、納まりの変更などの要素を検討してから墨付けをします。

地廻り(建物全体を一周する桁と梁の総称)よりも下方の部分では、部材同士は縦横内法間の垂直または水平による取り合い関係であるため、正確な寸法採りがなされていることが大切です。

地廻りよりも上部の軒廻りや小屋組ではさらに勾配の要素が加わるため、特に寄棟屋根や入母屋屋根などの複雑な寸法関係を曲尺一本で導き出すためには規矩術(曲尺によって描き出す図式解法)の習得が重要となります。

 

参考資料:

墨壺

材木の墨掛けや墨出しに用いる直線を引くための道具。

墨汁を染み込ませた墨綿を入れておく墨池、糸車、先端に針の付いた軽子、墨糸からなります。

 

 

墨打ち

道具は古代から墨壺が用いられ、繰り出して伸ばした墨糸の弾力性を利用して、それを弾くように直線の墨を打った墨打ち。また墨糸を多少たわませて墨打ちすることで、曲線を描くこともできます。

 

種類

鎌(かま)

主に継手に用いられる引張りに有効な基本形。

引張りに有効な継手として桁、母屋、棟木などに古代から用いられてきた。

 

蟻(あり)

引張りに抗する形で、引張強度は「鎌」に及ばないが、接ぐ長さが短くてすみ、仕口では凹形に加工される通し材の繊維を欠く割合が比較的少ないため、仕口に多く用いられる。

  

 

手板、番付表

手板、番付表と呼ばれる大工さんの図面を確認しながら、間違いのないように、番付表の記号を木材に記載し、墨付けをしていきます。

 

 

墨付けは、表に出るところの仕口や、部屋によっての材木の選び方、木の曲がりやむくりを確認して方向を決めたり、場所場所によって変えていく、そんなふうに人間にしかできない目利きをしながら、墨付けを行っています。プレカットになり、工期が短かくなったりとても便利にはなりましたが、プレカットではできない材料、納まりは大工さんの手刻みでおこなう必要性があります。天然乾燥材を主に使い、丸太を使ったりと様々な理由から手刻みで全棟おこなっております。またいい家を作りたい。その気持ちが手刻みには、こもっております。

 

You Tubeで今回の墨付けをしている動画を載せています。

よろしければ見てみて下さい。

https://youtu.be/3CtqDzmsS4U

 

その他ブログで継手仕口について書いた記事です。

https://www.marusei-j.co.jp/木造建築における木組みの継手仕口とは何?/

 

人や街が豊かになる造園や植栽をするには

目まぐるしい生活とせわしい社会環境の中、

家にいることも多くなり、

ふっと窓の外を見れば癒される空間が欲しいと思うのは、

誰しもが思うことではないでしょうか?

ちょっと重い腰を上げて行動してみることで、

意外にも多くの人の心に影響してくるのがわかると思います。

これからお話しする内容は、

建築家の方が作られた本の抜粋ですが、

社会が変わっていく中で、どうあるべきか、

変えていくべきところ、変えてはいけないところ

そういうところを考えた上で庭づくりをしていくことが

大切だということを教えてくれています。

ぜひ絵本も読んで欲しいです。

向こう三軒両隣り

建築家 田中敏溥さんの絵本『向こう三軒両隣り』より

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1950年代表の道や路地が私たちの遊び場でした。

しかし、時代は高度な情報化の社会へと突入していき、

道からは子どもたちだけでなく心も消えていってしまいました。

そして、家の形も変わっていきました。

ー中略ー

これは最近体験したことです。

その家の東側は道路から外壁まで

1mしか離れていませんでした。

最初はふつうの生垣をつくる計画でしたが、

「せっかく植えるなら、近所の方や、

学校帰りの子どもたちが

食べてもいいように、実をつける木を植えませんか。

そのほうが楽しいでしょう。

どうぞ食べてくださいってね。」

と建て主からわたしに提案がありました。

 

そこにはブラックベリー、ブルーベリー、

ユスラウメ、木イチゴ、

キンカンを植えました。

このあいだ訪ねたとき、ブルーベリーが実を付けていたので、

そっとひとつぶ摘んで口に入れました。

格別な味がしました。

 

このように街に対するやさしい気持ちが

ひとつずつ増えていくと

いいと思っています。

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この絵本を読んだとき、

とても衝撃を受けました。

もちろん、自分の土地だから好きなように

植えたりするのはいいのでしょう。

でも、こんな風に、人や街を想って植えることで

人や街が豊かになり、やさしい気持ちで

あふれるのだと思いました。

 

ブラックベリー

ブルーベリー

ユスラウメ

 

木イチゴ

 

キンカン

 

そのほか苗木の種類

高木(3m以上)

アオダモ

モクセイ科/落葉高木

[特性]

花のなる時期は5月〜6月、半日陰〜日向で育てる。

野球のバットの材にもなることで知られる樹木。

成長が遅く、建築に当たるほど大きくならないうえ、半日影でもよく育ち樹形が乱れにくいため、中庭でも使いやすい。幹の模様が美しく、落葉後の姿も絵になる。サイズも多様でどのような建築にも合う表情をもつ。日向を好むが、日当りが強いと模様が薄くなる。

[お手入れ メンテナンス]

乾燥や寒さに強く、病害虫もほとんどないので育てやすい。

剪定は、樹幹の内部を透かし剪定する程度で手入れにも手間がかからない。

ただし、植え付け1年目は土壌を乾燥させないように水やりを十分に行う。

 

アベマキ

ブナ科/落葉高木

[特性]

花のなる時期は4月〜5月、実は翌年10月〜11月。日向で育てる。

クヌギと似た樹木。樹皮がコルク質で弾力があり、柔らかな印象。成長するにつれて幹の迫力が増すので、幹の面白さを楽しめる。

[お手入れ メンテナンス]

樹形が乱れてきたら剪定で整えるが、強剪定は避ける。

 

中木(1.5m〜3m)

ウグイスカグラ

スイカズラ科/落葉中木

[特性]

花のなる時期は4月〜5月、実は6月〜7月。半日陰〜日向で育てる。

日本原産の樹木で、ラッパ状のピンクの花や果実が楽しめる。日向では株にボリュームが出て、花付きもよくなる。

[お手入れ メンテナンス]

暴れる感じで枝が生えてくるが、適宜間引いて好みの形に仕立てる。

 

 

オリーブ

モクセイ科/常緑中木

[特性]

花のなる時期は5月〜6月、実は9月〜11月。日向で育てる。

古木は幹が強く迫力がある。銀色に輝く葉も繊細で美しく、洋風の雰囲気が出る。乾燥地帯の植物だが、日当りがよく水はけがよければ、特に土壌は選ばない。ただし、耐寒性はあるものの、極寒地では難しい。果実はオイルやピクルスの原材料として楽しめる。実を多く収穫するためには違う品種を添えて植える。

[お手入れ メンテナンス]

混み合ってきた枝を整理し、風通しをよくする。

春から秋にかけて、幹を食害するゾウリムシに注意。乾燥を好むので水やりは控えめに。剪定は枝分かれしている付け根で行う。剪定適期は2月頃だが、それ以外の時期でも余計な枝は適宜落とす。

 

低木(1.5m以下)

ギンバイカ

フトモモ科/常緑低木

[特性]

花のなる時期は5月〜6月、実は10月。半日陰〜日向で育てる。

温暖な気候に適した植物で、耐寒性はあまり高くなくない。日当たりがよく、寒風の当たりにくい中庭や建物際に植えるとよい。

[お手入れ メンテナンス]

徒長枝が出るので枝の又でカットする。剪定の適期は花後すぐ。病害虫の心配は特にない。

 

ハクサンボク

スイカズラ科/常緑低木

[特性]

花のなる時期は4月〜5月、実は10月〜11月。半日陰〜日向で育てる。

大きめの青々とした照り葉が魅力の常緑樹で、半日影で美しい樹形を維持する。春には星をちりばめたような白い花を咲かせ、秋には真っ赤な実を付けるなど、四季の移り変わりを感じさせてくれる。柔らかい枝のものを、高木や中木に絡めて使う。耐寒性・耐暑性ともにあるが、元々暖地に自生しているため、寒冷地には不向き。

[お手入れ メンテナンス]

害虫ではアブラムシ・カイガラムシの発生に注意。

ハムシに食べられることがあるが、枯れることはない。剪定は徒長枝、古枝を整理する程度で、ほとんど手はかからない。

参考資料:株式会社エックスナレッジ『萩野寿也の「美しい住まいの緑」85のレシピ』

 

丸晴工務店の庭づくりの取り組みについて

https://www.marusei-j.co.jp/tag/庭/

 

植栽はワークショップ形式で、お客さんと一緒に庭づくりをしています。

https://www.marusei-j.co.jp/街に人にやさしい/

 

OBさんが開催する〜七輪陶芸ワークショップ〜

以前、使っていない母屋をアトリエに改修工事され、

そのアトリエで陶芸のワークショップを開催されます!

ぜひ、参加してみて下さい!

詳しくはこちら

【Studio Miiru(スタジオ ミイル)】

https://studiomiiru.wixsite.com/website

 

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