大作稲荷神社の遷宮がタウンニュースに

地元読売ランド前駅よりほど近いところに、大作稲荷神社という古くから農耕の神様として祭られている神社があります。その社殿の新築工事を丸晴工務店が担当させて頂きました。

今回、その新しくした新社殿の完成にあたり「仮殿祭」と「正遷座奉祝祭」が執り行われ、

その様子が地元誌のタウンニュースに掲載されました。

タウンニュースの一部ご紹介します。

境内の石塔には「明和元年11月」(1764年)と刻まれ、古くから農耕の神様として祭られてきたと言われている。2月の「初午祭」には境内にのぼりを上げ、当番の家に集まって酒食を共にする年1回の習わしがある。

参列者に向け、山本宮司は「一生のうちに巡り会えることが大変尊いこと」と語り、「先祖の方々も喜ばれている。これを機に厚い信仰とますますの発展を祈念する」と思いを込めた。

代表者、原田貴好さんは「長年の懸案だったが、お稲荷さんが皆さんのおかげできれいになった」と感謝。

地域の古い八百万の神様は、心の支えになる。目の前に保育園もあり、子どもたちも手を合わせてくれることと思う。地域を守っていただけるように、これからも大切にしていきたい」と胸中を語った。

 

こんな歴史的な行事に参加することができ、丸晴工務店としても地域のお役に立てたと喜びを感じます。

 

50年以上変わらない良さを持ち続ける家

先日、OBのお客様のところへお邪魔させていただきました。

丸晴工務店の現会長が20代後半の頃に建てたお家で、もう50年以上も経つお家だそうです。

縁側のサッシだけは取り替えたそうですが、それ以外は当時のままだそうで、メンテナンスやちょっとした修理で住まわれているそうです。

目を引く 瓦屋根は当時のこだわりが詰まっており、 瓦やさんが「雲の彫りものが素晴らしいですね!」と驚かれたそうです。

他にも当時の話を伺いながら思い入れのある箇所を撮影しました。

玄関の欄間も50年以上前のデザインと思えない素敵なデザインで、竹で作られていました。

また、庭木がさらに家の趣きを落ち着いたものにしてくれているような気がしました。

家は一生ものと言いますが、

その通りで、施主さまと大工は、建ててからずっとお付き合いしていく関係となります。

今回、お伺いしたお家もお父様から引き継ぎ、住まわれていると聞きました。

そんなふうに、家も人も長い年月良い関係であることはとても素晴らしいですね。

人と人との関わりが少なくなっている現代に、このような心と心の繋がりを残していきたいです。

 

今回は、コロナ禍でもあるので外観のみで撮影させて頂きましたが、ぜひ今度はお家の中を拝見させていただけたら嬉しいです。

この度は、こんな状況下でお伺いすることをお許し頂きありがとうございました。

今後とも長いお付き合いをどうぞよろしくお願い致します。

 

丸晴工務店のYouTubeはこちらhttps://youtu.be/t1qCDWsrda4

大工の墨付け〜現場LIVE〜

木組みの家づくりにおける、

柱や桁などの墨付けって見たことありますか?

そもそも墨付けって何?

って思われる方も多いと思います。

木を組む上で、一つ一つの木材に凹凸の加工をして組みます。

それを、仕口、継手などと言ったりします。

そんな仕口や継手を加工するための印をつけることを墨付けと言います。

現在では、手刻みで加工するところが少なくなってしまい、9割が機械によるプレカットになっています。

そのため、墨付けを見る機会も少ないと思います。

今回は、そんな墨付けをピックアップして、どんな風に木組みの家が出来上がるのか、楽しんで見て頂けたらと思います。

 

墨付けとは

木材の角材面に切ったり、削ったりする工作の基準となる線や記号、符号などをつけることを言います。

各工事を行う際の基準となる通り心や高さ、仕上げの位置などを工事の段階に応じて基礎や柱、壁面などに印をしたり、部材を刻み加工する前に、その加工に必要な基準線の位置、寸法、印などをつけます。

道具は、墨壺、墨刺、曲尺、尺杖などが用いられます。

木造住宅では、まず土台、桁、梁などの横架材の詳細な寸法関係(断面や内法寸法の微妙な食い違い)や、納まりの変更などの要素を検討してから墨付けをします。

地廻り(建物全体を一周する桁と梁の総称)よりも下方の部分では、部材同士は縦横内法間の垂直または水平による取り合い関係であるため、正確な寸法採りがなされていることが大切です。

地廻りよりも上部の軒廻りや小屋組ではさらに勾配の要素が加わるため、特に寄棟屋根や入母屋屋根などの複雑な寸法関係を曲尺一本で導き出すためには規矩術(曲尺によって描き出す図式解法)の習得が重要となります。

 

参考資料:

墨壺

材木の墨掛けや墨出しに用いる直線を引くための道具。

墨汁を染み込ませた墨綿を入れておく墨池、糸車、先端に針の付いた軽子、墨糸からなります。

 

 

墨打ち

道具は古代から墨壺が用いられ、繰り出して伸ばした墨糸の弾力性を利用して、それを弾くように直線の墨を打った墨打ち。また墨糸を多少たわませて墨打ちすることで、曲線を描くこともできます。

 

種類

鎌(かま)

主に継手に用いられる引張りに有効な基本形。

引張りに有効な継手として桁、母屋、棟木などに古代から用いられてきた。

 

蟻(あり)

引張りに抗する形で、引張強度は「鎌」に及ばないが、接ぐ長さが短くてすみ、仕口では凹形に加工される通し材の繊維を欠く割合が比較的少ないため、仕口に多く用いられる。

  

 

手板、番付表

手板、番付表と呼ばれる大工さんの図面を確認しながら、間違いのないように、番付表の記号を木材に記載し、墨付けをしていきます。

 

 

墨付けは、表に出るところの仕口や、部屋によっての材木の選び方、木の曲がりやむくりを確認して方向を決めたり、場所場所によって変えていく、そんなふうに人間にしかできない目利きをしながら、墨付けを行っています。プレカットになり、工期が短かくなったりとても便利にはなりましたが、プレカットではできない材料、納まりは大工さんの手刻みでおこなう必要性があります。天然乾燥材を主に使い、丸太を使ったりと様々な理由から手刻みで全棟おこなっております。またいい家を作りたい。その気持ちが手刻みには、こもっております。

 

You Tubeで今回の墨付けをしている動画を載せています。

よろしければ見てみて下さい。

https://youtu.be/3CtqDzmsS4U

 

その他ブログで継手仕口について書いた記事です。

https://www.marusei-j.co.jp/木造建築における木組みの継手仕口とは何?/

 

木造建築における木組みの継手仕口とは何?

木造建築には、軸組工法や2×4(ツーバイフォー)と呼ばれる工法があります。

その軸組工法には、木と木を組み、建物の強度を増す、または、古いものを再利用するための継手など、たくさんの技法があります。

ここでは、基本的な継手・仕口・組手についてお話したいと思います。

 

はじめに

木造建築の部材の接合を言い表す用語として、継手(つぎて)、仕口(しくち)、組手(くみて)、差口(さしぐち)、矧ぎ(はぎ)などがあります。いずれも近世の大工書に表れる用語です。

明治39年に刊行され、戦後にまで版を重ねた建築辞書『日本建築辞彙(にほんけんちくじい)』によれば、継手は材を継ぎ足す接合を、組手は桁(けた)や合掌梁(がっしょうばり)など部材が交叉する箇所での接合を、差口は一方の材側面に他材を取り付ける接合を言います。

さらに仕口は、上記の組手や差口をいうとあるので、仕口は角度をもって材を組み合わせる接合の総称と言えます。

また、同辞書に矧ぎの見出しはないですが、実矧、胴付矧などの項目から、矧ぎは板材の長手側面の接合を言うことがわかります。

このような仕口に決定的な変化をもたらしたのが十二世紀末に導入された、柱を貫き通し、柱相互を繋ぐ貫の技術です。当然そこには、柱と柱の内部で交叉する貫材という直交三軸を形作る部材を組むための、それまでになかった仕口や継手の技術が新たにもたらされました。

こうした様々な要因がからんで多様な継手仕口が歴史的につくられてきました。接合部によっては複合的な要因が働き、それに対応するために複雑な形の継手仕口が考案され、その結果、それらは優れた手業を表すものとして、見る人の興味を惹きつけるのです。

 

木造建築で主に使われている仕口

●枘(ほぞ)●

在来軸組工法では必要不可欠な仕口です。

弊社では手刻みで行いますが、ほとんどがプレカット工法と言って、工場で量産されていることが多いです。

仕口をつくる二材の寸法が近い場合に、引張り以外のずれに抵抗する基本形であり、材軸方向に指し込んで接ぐもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

手刻みほぞhttps://www.marusei-j.co.jp/手刻み/

 

 まずは、墨付け通りに丸鋸で裁断していきます。

 

 

 

次に、鑿(のみ)を使って丁寧にほぞの加工をしていきます。

 

 

●鎌(かま)●

こちらも基本的な継ぎ方の一つです。

滑り勾配を付け、ほぞだけで力を受けるのではなく、面で受ける工夫が施してあります。

 

よりよい木組みとは

よい木組とはどんなものでしょうか

まず、地震などの外力などに対しても安全なこと。安全であるということは、単に強さだけを求めることではないのです。もちろん、壊れない丈夫さも必要ではありますが、万が一の場合にも瞬時につぶされてしまうことがなく、たとえ大きく傾いても、住み手が避難できる空間を保持することも大切な機能であるといえます。

また、よい木組は、継手や仕口などの仕様を決定するだけでは十分とはいえません。注意深く定められた仕様によった木組の性能を生かすには、間取りの計画と同時に、力の流れが素直で無理のない架構を計画する必要があります。さらに、木組を生かしながら快適で丈夫な住空間を実現させる仕上げなど、家全体のつくり方とも深く関連してきます。

そのため、建物の強さを測る実験だけでなく、建物の壊れ方の実験などに参加していくことで、柔軟で強い家づくりができます。

 

おまけ

継手や仕口は、本当にたくさんの種類があり、全てをご紹介することができませんが、ちょっと面白い継手をご紹介します。

真っ直ぐにも直角にも接げる不思議な継手

『河合継手』

矩手(かねて)にも組め、長手(ながて)にも継げる不思議な継手です。

墨付けは至って簡単ですが、隙間無く組み合わせるとなるとなかなか難しい継手。

この継手は、工学院大学建築学部建築学科教授の河合直人氏が東大在学中に考えたもので、

考案者の名前から『河合継手』と呼ばれています。

 

実用よりパズル感覚で組み合わせを楽しめます。

腕試しに作ってみてはいかがでしょうか?

 

参考資料:誠文堂『木組み・継手と組手の技法』

 

組手を多用する『数寄屋門作り』

https://youtu.be/8ur1i06B8dU

 

和風建築

先日、施工完了したお家です。

ここのお家の方は、とてもお母様想いで建てるための優先順位が、

この和を基調としたお母様のお部屋が第一優先でした。

こちらは、唐紙と言って中国から伝えられた伝統的な紙です。

襖(ふすま)に貼る際、からかみの模様が美しく出るように重ね貼りをします。

唐紙自体も手の込んだ作りになっておりますが、その分引手にもこだわります。

下の写真は、見えづらいですが半月の形をしておりとても珍しい引き手になっています。

こういった、一つ一つの細かいところまでご家族で話し合われました。

そして、下の写真は、

天井が、細い材を並べてその上に天井板を並べた竿縁天井。

右の扉は、一枚板を上からはめ込んでいく框組み工法の扉。

障子は、模様入りの障子。

畳は本畳。最近では、畳床を藁(わら)の間にポリスチレンフォームなどを挟んだサンドイッチ畳床が

多く使われているそうですが、こちらのお宅では寝心地やお母様の思いもあり、

畳床を藁のみ使用した本畳にされたそうです。

このように、お母様への想いが詰まったこの和室は、

とても美しく日本人の心そのもののような気がします。

 

 

丸晴の動画(you tube)でここのお家を作る作業風景が見られます。

https://youtu.be/b-E37V0hd_0

建築知識のビルダーズの表紙に載りました。

丸晴工務店モデルハウスが業界では建築業界では有名な雑誌、建築知識ビルダーズの表紙に載りました。

この号で10周年を迎えるという節目でまたロゴを変更した記念すべきこの号に載せていただいた事は、とても嬉しい出来事でした。

この雑誌は建築家の伊礼さんや造園家の荻野さんなど有名な方の特集を組まれたり、すばらしい住宅が毎回載ってます。

 

若手大工の本多くんも載ってます。☺️

丸晴工務店も参加させていただいている股旅社中で新しい取り組みをデザイナーの中村圭吾さんとおこなっているのですが、中村さんがデザインされた鉢カバーが雑誌に折込付録としてついてます。(実際の大きさの図面です。)

中村さんとは色々な丸晴工務店オリジナル商品を考えています。

とても素晴らしいデザインでDIYでも簡単に作る事ができますので是非是非ご覧ください。

 

 

 

稲荷神社 建替工事

小田急線のよみうりランド駅近くにある大作稲荷神社の建替工事に着手しております。

200年近くの歴史がある稲荷神社です。

この地に鎮座した理由は、生田の中央に位置し名家が多い事と、昔から生田と菅を結ぶ重要な道路の入り口で、疫病等を厄除する事、五反田川(谷本川)の耕作地沿いにあり五穀豊穣を祈願できた事、津久井街道沿いにある商家の産業振興を願える事等が考えられるという事です。

地元の名家からお話しをいただいた事は地元工務店としまして、とてもありがたいお話です。

また、地元工務店が地元の為にできる事があると思っております。こういった歴史ある日本の文化や伝統は残して行きたいです。

その為にも、これからも大工を自社で育てて行きます。

稲荷神社 宮殿
稲荷神社 宮殿

これから、屋根の銅板葺きの為に板金屋さんのところに運ばれます。

今日の作業場は?

森田大工が川崎市麻生区百合ヶ丘に建つ住宅の構造材を一本一本お客様の事を思いながら、墨付け作業をおこなっております。

森田大工が墨付け作業中

通常ですとプレカットにより、構造材である土台、桁、柱を加工して上棟の時に材木屋さんが現場に搬入します。そして大工さんと鳶さんが組み立て作業を行いますが、ここで大工さんは構造材をはじめて見る事が一般的です。

手刻みの良さというのは、材料の状態から担当する大工により構造材のチェックが入ります。関東でもこのやり方をしている工務店は数少なくなってしましましたが、丸晴工務店では全棟手刻みで今でも行っております。

これはとても安心しますね❗️☺️

墨壺

木には色々な癖があります。

また、以前プレカットの現場を拝見した時縁起の悪い逆さ木の柱が立っている現場を見た事がありますが、あとから変える事はほぼ不可能です。

構造は、とってもとっても大切ですね。

森田大工が書いた図面

番付けとは

丸晴工務店の作業場は現在大工が4名それぞれ加工をおこなっていたり、番付け作業をしていたりとてもにぎやかです。

大工さんが作業をしている姿を見ていると

とても面白いですよ。

丸晴工務店では、お客様に構造材を加工する前の段階から担当する大工を決めさせていただいております。

写真の倉俣大工は現在25歳の丸晴では若い大工ですが、川崎マイスターを取得した大工などの指導により修行をし、お客様のお家を責任をもって任せられる大工になりました。

これから上棟がおこなわれる川崎市上平間の家を担当させていただきます。

現在番付けを振っていく為の板図作成作業を行っております。

番付けとは

墨付け作業に必要となる板図(番付け)は担当する大工が作ります。

設計図を大工に渡し、設計図の意図にしたがって継手や仕口の位置、各部の納まりやが材料の太さや長さ、建て方の手順などを考慮しながら作成します。

骨董市などで墨壺って見られた事ありますでしょうか。

板図作成時やこれから行われる墨付け作業の際に主に使われる大工さんの道具なんです。

ベテランの森田大工も麻生区百合丘の家の板図作成作業を行っております。

この作業がおわりましたら、墨付けという工程に入ります。

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